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みんなで決めるってどういうこと?選挙制度で考える民主主義の仕組み(中3公民)

「どうして少数派の意見が勝つことがあるの?」
「選挙でみんなの意見は本当に反映されているの?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?今日は、みんなで決める『民主主義』や『選挙制度』について、解説していきます!実は、ルール次第で結果が変わることもあるんです。さあ、どうやってみんなの意見が平等に反映されるのか、一緒に見ていきましょう!

1. 民主主義って何?

もしクラスで学級委員を決めるとき、一人の人が自分勝手に「私が学級委員になる!」と言って決めてしまったらどうでしょうか?え~勝手すぎる。不公平だと思いますよね。

一部の人が勝手に決めるのではなく、みんなの意見を平等に取り入れて決めないとダメですよね。このことを「民主(みんしゅ)主義」と言います。その反対、一人か少数の人だけで決めていく政治を独裁政治といいます。

民主主義と独裁政治の違い

民主主義の特徴独裁政治の特徴
みんなで話し合い、決める。一人または少数の人が決める。
国民全体が意見を言える。国民の意見は反映されない。

2. 民主制には2つある

民主主義を実現するには大きく分けて「直接民主制」と「間接民主制」の2つの方法があります。それぞれの違いを学校の例を使って説明します。

直接民主制とは?

直接民主制は、みんなが直接集まって話し合い、決定する仕組みです。

学校での例: 「生徒総会」をイメージしてください。生徒全員が体育館に集まって、学校の行事について話し合い、挙手で賛成か反対かを決めることがありますよね。これが直接民主制です。

メリットとデメリット

  • メリット:みんなが直接参加できるので、自分の意見を反映しやすい。
  • デメリット:人数が多いと話し合いが長くなり、決めるのに時間がかかる。

間接民主制(議会制民主主義)とは?

間接民主制は、代表者を選び、その代表者が話し合って決定する仕組みです。代表者が話し合う場所が「議会」なので、間接民主制は、議会制民主主義ともいわれます。

学校での例: 各クラスから選ばれた学級委員が集まって話し合う「代表委員会」が間接民主制の例です。全校生徒が参加しなくても、代表者を通して意見を反映させることができるので、大人数でも効率的に決めることができます。

メリットとデメリット

  • メリット:人数が多くても、代表者が決めるので時間がかからない。
  • デメリット:全員が直接参加できないため、代表者の考えが強く反映される。

直接民主制と間接民主制(議会制民主主義)の違い

種類説明学校の例
直接民主制みんなが直接集まって話し合い、挙手や投票で決める。人数が少ないときに使える。生徒全員が集まる「生徒総会」。全員で意見を出し合い、挙手で決定する。
間接民主制代表者を選んで、その代表者が話し合って決める。人数が多いときに使える。学級委員が集まる「代表委員会」。クラスの意見を代表者が話し合いながら決定する。

3. 選挙の4つの基本ルール

間接民主制(議会制民主主義)を具体的に実現するためには、みんなの代表を決める必要があります。そこに登場するのが「選挙制度」です!選挙には4つの基本ルールがあります。

4つの基本ルールとは?

  1. 普通選挙:年齢や性別、財産に関係なく、一定の年齢に達したすべての人が投票できる。
  2. 平等選挙:すべての人に1票が与えられ、票の重さが平等である。
  3. 秘密選挙:誰が誰に投票したかがわからないようにして、自由に意見を言えるようにする。
  4. 直接選挙:投票権がある人が、自分で投票できる。

このルールを守ることで、みんなが平等に意見を言える仕組みになっています。


4. 小選挙区制と比例代表制の違いを見てみよう!

では、実際にどのような方法で代表が選ばれているのか、選挙制度の具体的な仕組みを見てみましょう。選挙には、「小選挙区制」と「比例代表制」という2つの大きな仕組みがあります。それぞれどんな特徴があるのか、詳しく解説していきます。

小選挙区制ってどんな制度?

小選挙区制は、各選挙区(地域)から1人だけ代表を選ぶ制度です。

学校での例: クラスで「お楽しみ係」を1人だけ選ぶときを考えてみましょう。クラスの生徒がそれぞれ1人ずつ投票し、最も多くの票を集めた人が「お楽しみ係」になります。

長所と短所

  • 長所:結果がわかりやすく、決まるまでの時間が短い。
  • 短所:少しの票差で落選してしまうので、少数意見が反映されにくい。

比例代表制ってどんな制度?

比例代表制は、政党(グループ)に投票し、得票率に応じて複数の代表を選ぶ制度です。

学校での例: クラス全員が「図書委員を決めるために、読書クラブと学習クラブのどちらが適任か」を投票したとしましょう。

  • 読書クラブに60%の生徒が投票し、学習クラブに40%が投票しました。
  • 図書委員として5人が選ばれるとすると、読書クラブからは60%に相当する3人学習クラブからは40%に相当する2人が選ばれます。

このように、比例代表制では少数意見も反映されるため、いろいろなグループの代表者が選ばれる仕組みになっています。


5. 衆議院と参議院の選挙制度

日本の国会では、衆議院参議院で小選挙区制と比例代表制を組み合わせて使っています。それぞれの定数と選挙方式の割合は以下の通りです。

議院定数小選挙区制で選ばれる人数比例代表制で選ばれる人数
衆議院465人289人176人
参議院248人148人100人

(注) 参議院の選挙区は、県単位で人口の多い都道府県は2人以上なので、「選挙区選挙」といいます。

どうして混ぜて使うのか?

小選挙区制は、大政党の候補者が当選しやすいですが、少数意見が反映されにくいというデメリットがあります。そこで、比例代表制を加えることで、少数派の意見も反映されるようにしているのです。これにより、バランスよくいろいろな意見を取り入れながら政策が決められるようになります。 

衆議院では、小選挙区と比例代表と両方に立候補できるので、「小選挙区比例代表並立制」といいます。参議院の選挙では、どちらかにしか立候補できません。


6. 1票の格差って何?

1票の格差とは、選挙区ごとに有権者の数が異なることで、1票の重さが地域によって変わってしまうことを言います。

身近な例で考えてみよう

次のような3つのクラスがあったとします。

  • A組:30人の生徒がいるクラス(アイスに賛成20人、ケーキに賛成10人)
  • B組:20人の生徒がいるクラス(アイスに賛成8人、ケーキに賛成12人)
  • C組:10人の生徒がいるクラス(アイスに賛成4人、ケーキに賛成6人)

それぞれのクラスで投票を行った結果、A組では「アイス」、B組とC組では「ケーキ」が多数派になりました。各クラスの結果を1票ずつカウントすると…

  • A組の結果(アイス) → 1票
  • B組の結果(ケーキ) → 1票
  • C組の結果(ケーキ) → 1票

この結果、「アイス:1票、ケーキ:2票」となり、多数決ではケーキが選ばれます。

でも、全体の人数を見てみると?

実際の人数を見てみましょう。

  • アイスに賛成:20人(A組) + 8人(B組) + 4人(C組) = 合計32人
  • ケーキに賛成:10人(A組) + 12人(B組) + 6人(C組) = 合計28人

人数で見れば、アイスに賛成する人は32人、ケーキに賛成する人は28人と、アイスの方が賛成者が多いことがわかります。

なぜ「ケーキ」が選ばれてしまったの?

全体の人数ではアイスに賛成する人が多いのに、「ケーキ」が選ばれてしまった理由は、「各クラスの多数派意見を1票」として扱ったからです。この例では、B組とC組の人数(20人と10人)の票の重さが、A組(30人)の票の重さと同じ扱いになっています。

つまり、少人数のクラス(B組とC組)の意見が「同じ1票」としてカウントされることで、全体の結果が少数派の意見に引っ張られてしまいました。このように、地域ごとの有権者数の違いによって、1票の重さが変わることを「1票の格差」と言います。

1票の格差があるとどうなる?

1票の格差があると、少人数の地域の意見が過剰に反映され、全体の意見とは逆の結果になることがあります。これでは、国全体の意見を公平に反映しているとは言えませんよね。

選挙では、こうした格差をできるだけ小さくするために、定期的に選挙区を見直し、各選挙区の有権者数を調整することが行われています。


7. 比例代表制での決め方 ドント方式とは?

比例代表制では、ドント方式で、各政党の得票数に応じて公平に議席を配分します。この方式は、少数意見も反映しやすい特徴があります。

ドント方式のステップ

  1. 政党ごとの得票数を確認
    • 各政党が集めた票をまず確認します。
  2. 得票数を1、2、3…と順に割っていく
    • 例えば、A党が600票、B党が300票、C党が200票、D党が100票を得た場合、それぞれの得票数を1、2、3と整数で割っていきます。
  3. 商が大きい順に議席を割り当てる
    • 得票数を整数で割った数の大きい順に議席を配分していきます。

具体例

次に、4つの政党があり、10議席を配分するとします。

政党1で割る2で割る3で割る4で割る
A党 600票600300200150
B党 300票30015010075
C党 200票20010066.750
D党 100票1005033.325

割り当て

得票数を整数で割った数の大きい順に議席を配分すると次の通りになります。

政党1で割る2で割る3で割る4で割る
A党 600票600 1議席目300 2議席目200 5議席目150 7議席目
B党 300票300 3議席目150 6議席目100  10議席目75
C党 200票200  4議席目100 9議席目66.750
D党 100票100 8議席目5033.325

結果

  • A党:4議席
  • B党:3議席
  • C党:2議席
  • D党:1議席

8. まとめ

今回の内容で、民主主義と選挙制度についての理解が深まったでしょうか?選挙は、私たち一人ひとりの意見を社会に反映させる大切な手段です。中学生の皆さんにはまだ投票権はありませんが、将来、選挙に参加する日を楽しみに、今から少しずつ知識を深めていきましょう!

家族や友達と話してみよう!

  • 「もし自分の住んでいる地域の1票が軽くなっていたら、どんな気持ちになる?」
  • 「みんなの意見を平等に反映させるには、どんな制度がいいと思う?」

家族や友達と選挙について話すことは、政治を理解する第一歩です。ニュースを見たり、選挙の話題について一緒に考えたりすることで、もっと社会の仕組みがわかるようになりますよ!

将来のために、今から少しずつ知識を蓄え、社会に役立つ大人を目指していきましょう!

 

😊「なんだ。簡単じゃん」と感じてもらえたらすごくうれしいです。わかりにくい問題があったら、教えてください。簡単に説明したり、わかりやすい他の方法で、もっと楽に理解が深まります。 


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