第1部 ストーリー解説
1. 飛鳥時代~ヒーロー聖徳太子と“蘇我氏”の関係
👦ゆうと:「飛鳥時代って、名前が似てて混乱するんだよな…。まず“蘇我氏”って何者?」
👧あかり:「蘇我氏(そがし)は、当時トップクラスに強かった“有力豪族”。仏教を推してて、聖徳太子の味方でもあったの。とくに蘇我馬子(うまこ)は太子と組んで政治を進めたよ。」
- 聖徳太子は何をした・何を目指した?
 👧あかり:「太子は、“天皇を中心に、みんながルールに従って動く日本”を作りたかった人。だからこそ——」- 冠位十二階:家柄ではなく実力で評価。
- 十七条の憲法:「和を以て貴しとなす」=仲良く話し合い、誠実に仕事をする。
- 遣隋使:最強の隋に学びに行く。「日本も対等でいこう!」の強気外交。
- 飛鳥文化(法隆寺):仏教文化を広げ、世界最古の木造建築・法隆寺を残した。
 
👦ゆうと:「じゃあ、太子が亡くなったらどうなった?」
👧あかり:「太子の死後、蘇我氏(とくに後の当主)が力を強めすぎて、“ちょっと独裁っぽい”空気に。それで、帝(みかど)=天皇の家の人たちが“このままじゃマズい”ってなるんだ。」
2. 大化の改新~“天皇家中心”へ舵を切る!
👦ゆうと:「ここで反撃?」
👧あかり:「そう!立ち上がったのが中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)。天皇家(いまの皇室)の人で、のちの天智天皇。中臣鎌足(なかとみのかまたり)(のちの藤原姓)と組んで、蘇我氏を倒すんだ(645年=“むし(6)ご(5)ろ(4)し”で覚える!)。」
- 公地公民:土地も人も天皇のもの、という方針を打ち出し、バラバラだった力を真ん中に集める。
 👦ゆうと:「つまり、“豪族が好き勝手”から“天皇中心の国”に切り替えたってことか。」
 👧あかり:「そう。“天皇家中心の日本”を目指す流れは、太子の目標ともつながってるんだよ。」
3. なぜ日本は朝鮮半島へ?—白村江(はくすきのえ)の戦い
👦ゆうと:「ところで、白村江の戦いって、なんで朝鮮半島まで行ったの?」
👧あかり:「理由はシンプルに“味方を助けに行ったから”。日本は昔から仲が良かった国百済(くだら)を助けに行ったの。ところが相手は唐+新羅の超強力タッグ。663年、日本は大敗。」
- “なぜ行ったの?”のポイント(軽く)
 ① 同盟国・百済の支援(関係が深かった)
 ② 唐・新羅が強くなりすぎると日本も危ないという危機感
 ③ 大陸との関係が安全保障に直結(九州も守らなきゃ!)
👦ゆうと:「負けたあと、どうしたの?」
👧あかり:「“ヤバい、次は日本が攻められるかも”ってことで、九州の太宰府(だざいふ)を強化するなど、国防を急いだんだ。この“外のピンチ”が、天皇中心の国づくりを一気に進めるスイッチになったとも言えるね。」
4. 大宝律令(701年)~ルールを固めて、国の背骨が完成!
👦ゆうと:「外圧で急がされた感じ?」
👧あかり:「まさに!その流れで701年、日本初の本格ルールブック大宝律令(たいほうりつりょう)が完成。政治の分担を決める二官八省、地方を治める国司など、国の形の“骨組み”できたんだ。」
5. 奈良時代~平城京・税・土地・大仏・そして“文化”!
👦ゆうと:「次の時代の見どころは?」
👧あかり:「まずは710年の平城京(なんと立派な!)。街は碁盤の目みたいに整ってたよ。」
- 税と土地のしくみ
- 班田収授法(はんでんしゅうじゅほう):田んぼ(口分田)を分けて貸す。
- 租・庸・調:お米・布・特産物(や労役)を納める税。
- 墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう)(743):新しく開いた土地は持ち主のものにOK → 荘園が広がる → のちの武士の登場の下地に。
 
- 聖武天皇の祈りと国家プロジェクト
 👧あかり:「争いや病気が続いたので、聖武天皇は“仏の力で国を守ろう”と考えたの。だから東大寺の大仏を造り、全国に国分寺(こくぶんじ:男子の寺)と国分尼寺(こくぶんにじ:女子の寺)を建てさせたんだ。“国の安定を祈るネットワーク”みたいなものだね。」
- 奈良の文化(ここ、入試で超出る!)
- 古事記(こじき):日本の神話と昔の話。
- 日本書紀(にほんしょき):より公式っぽい歴史書。
- 風土記(ふどき):各地の地理・名物・伝承のレポート。
- 万葉集(まんようしゅう):最古の歌集。貴族だけじゃなく農民の歌も入ってて、日本語の“生の声”がつまってる。
 
👦ゆうと:「“文化4点セット”は要チェックってわけね。漢字も読みも、ちゃんと覚えとこ。」
👧あかり:「うん。“古事記・日本書紀・風土記・万葉集”は、セットで問われやすいからね!」
6. 今日のまとめ(流れで覚える!)
👧あかり:「太子は“天皇中心の日本”を目指した。太子の死後に蘇我氏が強くなりすぎ→中大兄皇子が倒して“大化の改新”。
外のピンチ(白村江の敗戦)で国防に本気→大宝律令でルールを固め、奈良時代は平城京・税と土地の制度・大仏&国分寺網で国を安定化。
一方で“文化の4点セット”が生まれて、日本の“ことばと歴史の土台”ができた、って流れ!」
👦ゆうと:「ストーリーで見ると、“豪族から中央へ、外圧で加速”って一本の線でつながるね。テスト、いけそう!」
第2部 要点表(入試出題頻度ランク付き)
飛鳥時代
- 聖徳太子(しょうとくたいし)
- 冠位十二階(かんいじゅうにかい):家柄でなく実力で昇進
- 十七条憲法(じゅうしちじょうのけんぽう):「和を以て貴しとなす」
- 遣隋使(けんずいし):小野妹子(おののいもこ)を派遣
- 飛鳥文化(あすかぶんか):法隆寺(ほうりゅうじ)=世界最古の木造建築
- 入試頻度:★★★★★(毎年必出レベル)
 
- 大化の改新(たいかのかいしん・645年)
- 中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)+中臣鎌足(なかとみのかまたり)が蘇我氏を倒す
- 公地公民(こうちこうみん):土地・人民はすべて天皇のもの
- 入試頻度:★★★★★
 
- 白村江の戦い(はくすきのえのたたかい・663年)
- 日本+百済(くだら) vs 唐(とう)+新羅(しらぎ) → 日本大敗
- 九州に太宰府(だざいふ)を設置、防衛を強化
- 入試頻度:★★★★☆
 
- 大宝律令(たいほうりつりょう・701年)
- 二官八省(にかんはっしょう)、国司(こくし)など制度を整備
- 入試頻度:★★★★★
 
奈良時代
- 平城京(へいじょうきょう・710年):「なんと立派な平城京」
- 入試頻度:★★★★★
 
- 班田収授法(はんでんしゅうじゅほう):口分田(くぶんでん)を分け与える制度
- 入試頻度:★★★★★
 
- 租庸調(そようちょう):お米(租)、布(調)、労役や特産物(庸)
- 入試頻度:★★★★★
 
- 墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう・743年):新しい土地を私有OK → 荘園(しょうえん)が拡大、武士登場のきっかけ
- 入試頻度:★★★★☆
 
- 聖武天皇(しょうむてんのう)
- 東大寺大仏(とうだいじだいぶつ)の建立
- 国分寺(こくぶんじ・男子の寺)/国分尼寺(こくぶんにじ・女子の寺)を全国に設置
- 入試頻度:★★★★★
 
- 文化の4点セット
- 古事記(こじき):神話と歴史
- 日本書紀(にほんしょき):公式の歴史書
- 風土記(ふどき):各地の地理・名物・伝承
- 万葉集(まんようしゅう):最古の歌集、庶民の歌も収録
- 入試頻度:★★★★☆~★★★★★
 
第3部 確認問題(解答・解説つき)
必修問題
① 聖徳太子(しょうとくたいし)がつくった、家柄でなく実力で出世できる制度を何という?
答え:冠位十二階(かんいじゅうにかい)
解説:実力主義を導入し、豪族の家柄だけでなく努力や能力で昇進できるようにした制度。
② 聖徳太子(しょうとくたいし)が出した、役人の心がまえをまとめたルールを何という?
答え:十七条憲法(じゅうしちじょうのけんぽう)
解説:「和を以て貴しとなす」が有名。役人が協力して政治を行うためのルールブック。
③ 聖徳太子(しょうとくたいし)が派遣した中国への使いを何という?
答え:遣隋使(けんずいし)
解説:小野妹子(おののいもこ)らを派遣。隋の先進制度を学び、日本も対等だと示した。
④ 聖徳太子が建てた、世界最古の木造建築は?
答え:法隆寺(ほうりゅうじ)
解説:飛鳥文化を代表する寺院で、現在も残る世界遺産。
⑤ 645年、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と中臣鎌足(なかとみのかまたり)が蘇我氏を倒して始めた改革を何という?
答え:大化の改新(たいかのかいしん)
解説:天皇中心の政治に切り替えるきっかけとなった大改革。
⑥ 大化の改新で打ち出された「土地も人民も天皇のもの」という方針を何という?
答え:公地公民(こうちこうみん)
解説:豪族の私有をなくし、中央集権国家への土台を作った。
⑦ 663年、日本と百済(くだら)が唐・新羅連合に敗れた戦いを何という?
答え:白村江の戦い(はくすきのえのたたかい)
解説:日本は大敗し、防衛意識が高まり太宰府の強化につながった。
⑧ 701年に完成した、日本初の本格的な律令を何という?
答え:大宝律令(たいほうりつりょう)
解説:二官八省の制度や地方の国司を整備し、国家のしくみが固まった。
⑨ 710年に完成した都の名前は?
答え:平城京(へいじょうきょう)
解説:「なんと立派な平城京」で覚える。碁盤の目のような整った都。
⑩ 聖武天皇(しょうむてんのう)が建てさせた巨大な仏像は?
答え:東大寺の大仏(とうだいじのだいぶつ)
解説:仏の力で国の平和を願って建立された。奈良のシンボル的存在。
💪 チャレンジ問題(15題)
⑪ 大化の改新を行った天皇家の人物は誰?
答え:中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)
解説:のちの天智天皇。蘇我氏を倒し、天皇中心の国づくりを進めた。
⑫ ⑪に協力した人物は誰?
答え:中臣鎌足(なかとみのかまたり)
解説:後に「藤原」の姓をもらい、藤原氏の祖となった。
⑬ 大化の改新の後、日本が朝鮮半島で助けようとした仲良しの国は?
答え:百済(くだら)
解説:日本と深い交流があったが、唐と新羅に滅ぼされた。
⑭ 白村江の戦いで日本を破ったのは、唐とどこの国?
答え:新羅(しらぎ)
解説:唐と組んで百済を滅ぼし、朝鮮半島を支配した。
⑮ 奈良時代、6年ごとに田んぼを分け与えた制度を何という?
答え:班田収授法(はんでんしゅうじゅほう)
解説:農民に田を分け与え、収穫に応じて税を納めさせた制度。
⑯ 班田収授法で与えられた田んぼの名前は?
答え:口分田(くぶんでん)
解説:人口に応じて割り当てられた田。
⑰ 農民が納めた税をまとめて何という?
答え:租・庸・調(そようちょう)
解説:租=米、庸=労役や特産物、調=布。農民に大きな負担だった。
⑱ 743年に出された、新しい土地を私有できる制度を何という?
答え:墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう)
解説:開墾した土地を永遠に自分のものにできる → 荘園が増えた。
⑲ それによって広がった大きな私有地を何という?
答え:荘園(しょうえん)
解説:寺院や貴族の土地として広がり、武士の活躍の舞台となる。
⑳ 聖武天皇が全国に建てた男子用のお寺は?
答え:国分寺(こくぶんじ)
解説:国家安泰を祈って、各地に建てられた男子僧の寺。
㉑ 聖武天皇が全国に建てた女子用のお寺は?
答え:国分尼寺(こくぶんにじ)
解説:国分寺とペアで設置された女子僧の寺。
㉒ 日本最古の神話と歴史をまとめた本は?
答え:古事記(こじき)
解説:日本の神話や天皇の由来をまとめた。
㉓ 日本最古の“公式歴史書”は?
答え:日本書紀(にほんしょき)
解説:国家がまとめた最初の歴史書。中国に示すための正史でもあった。
㉔ 各地の名物や伝承をまとめた本は?
答え:風土記(ふどき)
解説:その土地の自然・産物・伝説などを記録したもの。
㉕ 奈良時代にできた最古の歌集は?
答え:万葉集(まんようしゅう)
解説:天皇から農民まで幅広い人々の歌を収録した歌集。
第4章 あと一歩の元気を ✨
👩あかり:「ここまで一緒に勉強してきて、どうだった? 飛鳥・奈良時代は名前も漢字もむずかしいけど、ストーリーでつなげるとぐっとわかりやすくなるよね。」
👦ゆうと:「うん!大化の改新とか、白村江の戦いとか、ただ暗記するより“なぜそうなったか”がわかると頭に残りやすいな。」
👩あかり:「そうそう!テストや入試では“ただ覚えた”だけじゃなく、“どうつながっているか”を思い出せるかが大事なんだよ。
それができれば、点数もグンと伸びるはず!」
🌱 先生からのメッセージ
歴史は「点」で覚えると苦しいけれど、「線」でつなげると一気におもしろくなる教科です。
聖徳太子の努力、大化の改新の勇気、白村江の敗戦から学んだ危機感、そして奈良の大仏に込められた祈り。
それぞれが次の時代の“扉”を開いているのです。
もし暗記が苦しくなったら、「この出来事が次にどうつながったのかな?」と考えてみてください。
きっと歴史がストーリーとして頭に残っていきます。
入試までの道のりは長いけれど、
コツコツ積み重ねた努力は必ず力になる。
だから、焦らず、一歩ずつ前に進んでいこう。
👩あかり:「勉強は大変だけど、君には必ずできる力があるよ!」
👦ゆうと:「よし、オレも次の単元に挑戦するぞ!」
✨ がんばれ!あと一歩の元気が、未来につながる! ✨

 
	
 
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