はじめに
もし、友達にお金を貸したのに、なかなか返してくれなかったらどうする?最初は直接話し合いをして、解決しようとするよね。でも、うまく解決しない。そんなときに、法律に基づいて公正に判断してくれるのが「裁判所」なんだ!裁判所は、法律に基づいて物事を解決し、社会の平和を保つためのとても大切な存在なんだよ。
今日は、裁判所の仕組みや役割、そして君たちの権利についてわかりやすく説明するね!
裁判所って何? 🤔
裁判所は、法律に基づいて争いごとを解決するための場所だ。憲法では「司法権は、裁判所に属する」とされていて、これを司法権という。つまり、法律にもとづいて公正に判断するのが裁判所の役割だよ。
最高裁判所と下級裁判所
日本の裁判所には、最高裁判所と下級裁判所があるよ。
- 最高裁判所:日本で最も高い裁判所で、東京に1つしかないよ。ここで裁判が最終的に決定されるんだ。
- 高等裁判所:全国に8か所あって、地方裁判所の判決に不服があるとき、ここで再審されるよ。
- 地方裁判所:普通の事件の第一審を行う裁判所で、全国に50か所あるんだ。
- 家庭裁判所:家族間のトラブルや未成年者の問題を解決する裁判所だよ。
- 簡易裁判所:140万円以下の小さな事件や軽い犯罪を扱う裁判所で、全国に438か所あるんだ。
三審制って何?
日本では、同じ事件について3回まで裁判を受けられる「三審制」という仕組みがあるんだ。これは、公正な判断を下すための大切な制度なんだよ。例えば、第一審で不服があった場合、次に高等裁判所に控訴でき、それでも納得できなければ最高裁判所に上告できるんだ。
司法権の独立
裁判所が公正に裁判を行うためには、他の機関からの圧力を受けないことが重要だ。このことを「司法権の独立」というよ。憲法では、裁判官は自分の良心に従って裁判を行い、他の権力機関から干渉を受けないことが定められているんだ。
最高裁判所長官の選任
最高裁判所長官は内閣が指名し、天皇が形式的に任命するよ。その他の裁判官も、内閣が任命することになっているよ。
憲法の番人、最高裁判所
最高裁判所は「憲法の番人」と呼ばれている。これは、裁判所が法律や命令が憲法に違反していないかどうかを審査する役割を持っているからなんだ。もし法律が憲法に違反していると判断された場合、その法律は無効になるんだ。これを「違憲審査」といい、最高裁判所はこの審査を最終的に行う権限を持っているんだよ。
民事裁判と刑事裁判の違い
裁判には民事裁判と刑事裁判の2つの種類があるよ。
- 民事裁判:お金の貸し借りや、個人同士のトラブルを解決するための裁判だよ。ここでは、訴えた人を「原告」、訴えられた人を「被告」というんだ。
- 刑事裁判:法律違反をしたかどうか・罪を犯したかどうかを判断するための裁判だよ。警察が捜査を行い、検察官が訴えを起こすんだ。ここでは、訴える人を「検察官」、訴えられた人を「被告人」というんだ。
警察と検察官の違い
警察は犯罪が起きた時に捜査をして、証拠を集める役割を持っているよ。逮捕などの活動も行うんだ。検察官は、警察が集めた証拠をもとに、犯罪を起こした疑いがある人(被告人)を裁判所に訴える役割を持っているよ。
裁判官の身分保障
裁判官は独立して公正な裁判を行うために、簡単にその職を罷免されないように身分が保障されているんだ。次の3つの場合を除いて、裁判官を罷免することはできないよ。
- 心身の故障がある場合:身体や精神に大きな問題がある場合だよ。
- 弾劾裁判:国会が裁判官の不正や非行を裁くために行う裁判だよ。
- 国民審査:最高裁判所の裁判官は、国民の投票によって罷免される可能性があるんだ。選挙の時に行われ、過半数が不適任だと判断すれば、その裁判官は辞任しなければならないよ。
えん罪と再審
もし無実の人が有罪判決を受けてしまった場合、これを「えん罪」というんだ。再審請求をすることで、新しい証拠が見つかれば、裁判がやり直されて無罪になる可能性もあるよ。えん罪はとても重大な問題で、司法制度では慎重に扱われるんだ。
刑事補償制度
もし無実の罪で有罪判決を受け、その後無罪になった場合には、国に対して刑事補償を請求することができるよ。これは、えん罪によって苦しんだ人を救済するための大切な制度なんだ。
司法制度改革
これまで日本では、裁判は時間がかかりすぎて利用しづらいという問題があったんだ。そこで、裁判をもっと利用しやすくするために、さまざまな改革が行われているよ。法科大学院の設立や、全国どこでも弁護士サービスを受けられるようにする法テラスがその一例だね。
裁判員制度
日本では、市民が裁判に参加する「裁判員制度」が2009年に導入されたよ。重大な刑事事件に対して、裁判官と市民が一緒に話し合って有罪・無罪を決めるんだ。裁判に参加することで、司法がもっと身近に感じられるようになっているよ。
内容理解確認テスト 🕵️♀️~裁判所の仕組みと役割~
問題
[ ] に適切な語句を埋めなさい。
① 法律に基づいてトラブルを解決し、社会の秩序を守る仕組みを [ ① ] といいます。
② [ ① ] の中心的な役割を担うのが [ ② ] です。
③ 日本で最も権威のある裁判所は [ ③ ] です。
④ 日本各地に設置され、様々な事件を扱う裁判所をまとめて [ ④ ] といいます。
⑤ 同じ事件について、最大3回まで裁判を受けられる仕組みを [ ⑤ ] といいます。
⑥ 第一審の裁判結果に納得がいかない場合、上級裁判所に改めて審理をしてもらうことを [ ⑥ ] といいます。
⑦ 控訴審の判決に不服がある場合、さらに上級裁判所に審理をしてもらうことを [ ⑦ ] といいます。
⑧ 裁判を行う [ ⑧ ] は、法律の専門家であり、公平な判断を下すことが求められます。
⑨ 裁判所が、国会や内閣などの影響を受けずに、公正な裁判を行うことができるように保障されているのが [ ⑨ ] です。
⑩ 一般市民が裁判に参加し、裁判官と共に被告人の有罪・無罪や量刑を決定する制度を [ ⑩ ] といいます。
⑪ お金の貸し借りや損害賠償など、個人間のトラブルを解決するための裁判を [ ⑪ ] といいます。
⑫ 殺人や窃盗などの犯罪行為を裁く裁判を [ ⑫ ] といいます。
⑬ 刑事裁判で、犯罪者を裁判所に訴える役割を担うのは [ ⑬ ] です。
⑭ 国の権力を、立法、行政、司法の三つに分けて、それぞれの機関が独立して権限を行使する仕組みを [ ⑭ ] といいます。
⑮ 法律を作る権限を [ ⑮ ] といいます。
⑯ 法律に基づいて政治を行う権限を [ ⑯ ] といいます。
⑰ 法律に基づいてトラブルを解決する権限を [ ⑰ ] といいます。
⑱ [ ⑮ ] を持つのは [ ⑱ ] です。
⑲ [ ⑯ ] を持つのは [ ⑲ ] です。
⑳ [ ⑰ ] を持つのは [ ⑳ ] です。
解答
① 司法
② 裁判所
③ 最高裁判所
④ 下級裁判所
⑤ 三審制
⑥ 控訴
⑦ 上告
⑧ 裁判官
⑨ 司法権の独立
⑩ 裁判員制度
⑪ 民事裁判
⑫ 刑事裁判
⑬ 検察官
⑭ 三権分立
⑮ 立法権
⑯ 行政権
⑰ 司法権
⑱ 国会
⑲ 内閣
⑳ 裁判所
ダメ押しの確認問題
① 日本で最も高い裁判所は何ですか?
② 三審制とは何ですか?
③ 民事裁判で訴えた人を何と呼びますか?
① 最高裁判所。日本の最上級裁判所で、最終判断を行います。
② 三審制。同じ事件について3回まで裁判を受けられる制度です。
③ 原告。訴えられた人は被告です。
④ 刑事裁判で訴える人を何と呼びますか?
⑤ 刑事裁判で訴える人を何と呼びますか?
⑥ 裁判員制度とは何ですか?
④ 検察官。犯罪の捜査を行い、被告人を裁判所に訴えます。
⑤ 司法権の独立を守るため、他の機関からの圧力を受けずに公正な裁判を行うためです。
⑥ 裁判員制度。市民が刑事裁判に参加し、有罪・無罪を判断する制度です。
⑦ 再審とは何ですか?
⑧ えん罪とは何ですか?
⑨ 憲法の番人と呼ばれるのはどこですか?
⑦ 再審。新しい証拠が見つかれば、裁判をやり直すことができる制度です。
⑧ 無実の人が誤って有罪とされることです。
⑨ 最高裁判所。違憲審査を行い、法律が憲法に違反していないか判断する役割を持っています。
⑩ 最高裁判所長官は誰が任命しますか?
⑪ 警察と検察官の違いは何ですか?
⑫ 黙秘権とは何ですか?
⑩ 天皇。内閣が指名し、天皇が任命します。
⑪ 警察は犯罪捜査を行い、検察官は裁判所に被告人を訴えます。
⑫ 答えたくない質問には答えなくてもよい権利です。
⑬ 民事裁判で原告と被告の違いは何ですか?
⑭ 国民審査とは何ですか?
⑮刑事補償制度とは何ですか?
⑬ 原告は訴える人、被告は訴えられる人です。
⑭ 国民が最高裁判所裁判官の適任性を審査する投票です。
⑮ 刑事補償制度。無実で有罪判決を受け、その後無罪になった場合に国から補償を受ける制度です。
まとめ
裁判所は、君たちの権利を守り、社会のルールを公平に適用するために存在しているんだ。今学んだことを活かして、よりよい社会をつくっていくために、日常生活で法の役割を考えてみてね!
😊「なんだ。簡単じゃん」と感じてもらえたらすごくうれしいです。わかりにくい問題があったら、教えてください。簡単に説明したり、わかりやすい他の方法で、もっと楽に理解が深まります。
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