第1章:王様の時代にNOを突きつけた人々|ロック・モンテスキュー・ルソーと市民革命
👑 「王様の言うことは絶対!」
そんな時代に、「NO!」と声を上げた人々がいました。
ロック・モンテスキュー・ルソーといった啓蒙思想家(けいもうしそうか)たちは、王様の権力に疑問を投げかけ、「人々の自由や平等」を守る新しい考え方を広めました。
その考えが火種となり、市民革命が世界中に広がっていったのです。
🔦 啓蒙思想家たちの登場
18世紀のヨーロッパ。王様は強大な力を持ち、税金を自由に取り立てたり、戦争を始めたりしていました。
でも人々は「ちょっと待って、本当にそれでいいの?」と考え始めます。
そこで登場したのが、3人の思想家です。
🧑🎓 ジョン・ロック(イギリス)
「もし王様がひどい政治をしたら、国民は『それは違う!』と言っていいんだ!」
👉 これを 抵抗権 といいます。
著書:『統治二論』
➡️ この考え方は、アメリカ独立戦争など後の革命に大きな影響を与えました。
⚖️ モンテスキュー(フランス)
「権力が一ヶ所に集まると、好き勝手やり始めるから危ない!」
👉 だから権力を3つに分けて、お互いにチェックし合おうと考えました。
著書:『法の精神』
➡️ これが 三権分立 のもとになっています。
三権分立ってなに?
昔は王様がすべての権力を持っていました。それでは、王様が勝手なことを始めてしまう。
それを次の3つに分けて別な人が持つことで、お互いをチェックすることで勝手なことができないようにしようという考えです。
- 立法権(国会):法律を作る
- 行政権(内閣):法律に基づいて政治を実行する
- 司法権(裁判所):法律を正しく守らせる
👉 この3つのバランスがあるから、誰かが勝手に権力を独占できないんです。
🗣️ ルソー(フランス)
「国の主役は王様じゃなくて、国民なんだ!」
👉 これが 人民主権(今の国民主権) です。
著書:『社会契約論』
➡️ フランス革命で実際に大きな力となりました。
🔥 市民革命へとつながる!
啓蒙思想家の考え方は、本やパンフレットで広まり、人々の「不満」と結びついて大きな革命へとつながりました。
イギリスの名誉革命(1688年)
王様の勝手な政治に不満が高まり、議会が王様を追い出しました。
👉 王様の権力を制限し、議会を中心とする政治の始まり。
アメリカ独立戦争(1775年~83年)
イギリスがアメリカ植民地に高い税を課したことで、「代表なくして課税なし!」と怒った人々が立ち上がりました。
👉 「人はみんな平等に作られている!」と書かれたアメリカ独立宣言には、ロックの考えが色濃く表れています。
➡️ その後「アメリカ合衆国憲法」がつくられ、世界初の近代的な民主国家のモデルとなりました。
フランス革命(1789年)
王様と貴族が贅沢をしているのに、国民は重い税で苦しんでいました。
ついに国民が立ち上がり、「自由・平等・友愛」を掲げて革命を起こしました。
👉 人権宣言が発表され、ルソーの人民主権の考えが実現に近づきました。
➡️ その後ルイ16世が処刑され共和制に移行し、人権宣言は世界に広まりました。
💡 ポイント整理
- 名誉革命=王様を制限して「議会の力」を強めた
- アメリカ独立戦争=イギリスから独立した国をつくった
- フランス革命=「国民が王様を倒して」自由と平等を求めた
🎯 確認問題
番号 | 問題 |
---|---|
① | ロックが唱えた「国民が王様に抵抗できる考え方」を何といいますか? |
② | モンテスキューが提唱した、権力を3つに分ける仕組みを何といいますか? |
③ | ルソーが『社会契約論』で唱えた「国民みんなに政治の力がある」という考えを何といいますか? |
④ | 「自由・平等・友愛」をスローガンに始まった革命は何ですか? |
⑤ | 名誉革命・アメリカ独立戦争・フランス革命は、それぞれ社会をどう変えましたか?(一言でまとめて答えなさい) |
✅ 答えと解説
番号 | 答えと解説 |
---|---|
① | 抵抗権 👉 国民が不当な支配に抵抗する権利 |
② | 三権分立 👉 立法・行政・司法に分けて権力をチェック |
③ | 人民主権 👉 国の政治の力は国民にあるという考え方 |
④ | フランス革命 👉 1789年、バスティーユ牢獄の襲撃をきっかけに始まった |
⑤ | 名誉革命=議会の力を強めた アメリカ独立戦争=イギリスから独立した国をつくった フランス革命=国民が王を倒して自由と平等を求めた |
🌈 まとめ
👑 「王様の言うことは絶対!」にNOを突きつけた啓蒙思想家たち。
その考えは人々の不満と結びつき、市民革命を成功させ、近代的な人権や民主主義の土台となりました。
🧑🏫 啓蒙思想家とキーワード
人物 | 国 | 著作 | 考え方・ポイント |
---|---|---|---|
ロック | イギリス | 『統治二論』 | 王様がひどい政治をしたら国民は反対できる 👉 抵抗権 アメリカ独立宣言に影響 |
モンテスキュー | フランス | 『法の精神』 | 権力を3つに分けてチェック 👉 三権分立 今の日本の政治制度にも採用 |
ルソー | フランス | 『社会契約論』 | 国の主役は国民 👉 人民主権(今の国民主権) フランス革命に大きな影響 |
🔥 市民革命とその意義
革命 | 年代 | 内容 | ポイント |
---|---|---|---|
名誉革命(イギリス) | 1688年 | 議会が王様を追放。新しい王に条件をつけて迎えた | 流血の少ない革命 👉 立憲君主制の始まり 王様の力を制限し、議会中心の政治へ |
アメリカ独立戦争 | 1775~83年 | イギリスが植民地に重税 → 「代表なくして課税なし!」と反発 独立宣言を発表しアメリカ合衆国が誕生 |
ロックの抵抗権が影響 独立宣言に「人はみな平等」と明記 |
フランス革命 | 1789年 | 国民が重税と不公平に怒り、「自由・平等・友愛」を掲げ蜂起 バスティーユ牢獄を襲撃 |
人権宣言を発表し国民主権へ ルソーの思想が反映 その後、ルイ16世処刑 → 共和制へ |
💡 用語補足
- 抵抗権:王様がひどい政治をしたら国民が「NO」と言う権利
- 三権分立:国会(立法)・内閣(行政)・裁判所(司法)に分けてチェックする仕組み
- 人民主権:国の政治の主役は国民であるという考え方
- 名誉革命:流血の少ない「平和的な革命」だったので「名誉」と呼ばれる
- バスティーユ牢獄:パリにあった大きな牢屋。国民の怒りの象徴
👉 次の章では、日本の憲法にどのように人権の考え方が取り入れられたのかを見ていきましょう!
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