こんにちは。山口です。
「勉強の方法がわからない」ってよく聞きます。 だから今日はあえて一番ベタな方法を紹介しましょう。
中3生で、 中1当時から理科ができなくて困っている子がいました。中1.2の時はともかくとして、受験では、「理科はダメ」と放っておくわけにはいきません。彼女は、「だって、ホウセンカって知らないのに、ホウセンカの問題なんてできるわけない」と小学生の時から理科は捨てていたそうです。
さて、中3の夏休み、何をやってもらったかと言うと、私の授業のまとめページを、説明の図を含めて3回書き写す。ただこれだけをやってもらいました。
途中、何度か口頭試問をしながら、書いている内容が、本当に頭に入っているかを調べながら進めました。
こんなこと やったことがないので、まず、最初の反応は、「手が痛い。」 絆創膏を二重に貼ってやっていました。
次は、「この図も、全部書くんですか。」文章を書き写すのはカンタンだとしても図を書き写すのはなかなか骨が折れます。
図こそ理科の命。 図を省略したら絶対にダメです。理解が進めば、ポイントがはっきりしてきて、省略していい部分と、絶対に省略できない部分が見えてきますが、まだまだその域ではないので、今は全部書きます。
やっているうちに、口頭試問での成績が良くなってきました。こんな感じです。
「減数分裂って何?」と聞くと、以前は、「…」か「なんだっけ?」か「そんなのあった?」だった反応が、
「生殖細胞をつくる時の分裂。 遺伝子が半分になる分裂。」
「オゥ~。正解。 他に分裂って、どんな分裂がある?」
「減数分裂と細胞分裂と、ただの分裂」
「いいね。今までと全然 違うね。いいよ。じゃ、細胞分裂ってどんな分裂?」
「エーとね。 体の細胞1個が2つの細胞に分かれる分裂でしょ。自信ある。」
「 なんだよ。まるで別人じゃないの。お前にも夜明けが来るのか。じゃ 生殖細胞って何?」
「植物は精細胞と卵細胞、動物は精子と卵です。ね、ね。正解でしょ。」
「すげ~。完璧。 覚えたね。すごい。 次は、動物の場合、減数分裂はどこでおこる?」
「セイスとランス」
「はっ? 何だそれ?」
「絶対に間違いないです。ちゃんと書いてありましたから。」と自信満々。すごい勢いで言い募ります。
「わ、わかた。 じゃここに書いてみて」
(書いた文字) 精巣 卵巣
「やっぱりな。 これね、 セイソウ と ランソウって読むの。」
「エ~。 セイスとランスじゃないんですか。 しらなかった」
完璧とは言えないまでも、理科の会話ができるようになってきました。
3回書き写す作業はつらいです。でも、こうして途中でチェックして、本人が手ごたえを感じ出すと、続けられるものです。ようやく 光が見えてきたかなぁ。
「今まで暗記するとき、どうやっていたの?」と聞くと、「答えを見てました」あ~、やっぱりな。 この子に、あえて一番ベタの方法でやらせてよかったと思います。「嫌いだ」 「わからない」 「できない」 「どうしていいかわからない」とできない理由を並べてきましたが、手間をかけることを避けてきたのです。
ただの書き写し。 時間はかかりますが、手間をかければ、その結果は、点数に反映します。後は、続けること。やめないことです。そのために口頭チェックがあります。
実は、チェックというよりは、励みなのです。本人に手ごたえを感じさせる演出的な時間でもあるのです。この核心部分はマックスの秘密です。
彼女には、挨拶代わりに、しばらくの間続けました。書き写しは、段々に、要領も身につけられて、何は捨てても大丈夫、書かないとダメなものは何かの判断もできるようになっていきました。実はそれって学力。
「家で、理科のまとめノート 3回書き写して来い」そんな宿題出しても、まじめにやる子は、いません。効果があるのに。それで、二言目には「勉強のやり方がわからない」。じゃ説明しましょう。
この方法を使うとき、 口頭試問は絶対に欠かせません。その最大の目的は、その場で、すぐに結果を体感させることです。子どもが手ごたえを感じられるようにすることです。「3回書き写せ」といわれて、初めはしぶしぶやっているだけです。イヤ、実は不満タラタラ、爆発寸前の状態でやっています。
初めは、短い範囲でやらせて、口頭試問で簡単そうなものを2題、3題 質問する。その答えが口をついて出てくると、子どもは、自分でも {アレ?}答えられる、覚えている、「本当に当たっている」と本人が少し驚きます。
これが重要なのです。 バカバカしいと思っていた書き写しの本気度が上がるのはココからです。しばらくすると、こちらの顔を見ると 「先生、何か聞いて」。「今日は、今までの全範囲から聞いてみて」とやってたりします。この子は、家でもお母さんに問題を出してくれとうるさかったそうです。できるって楽しいですものね。
同じ方法で、大変身した子をもう一人 紹介しておきましょう。この子も思い出深い子です。
その子は、大の社会 特に歴史嫌いで、「昔のこと知って何になるんですか」とよく言っていました。
この子には、もう無理やり、それこそ力ずく(?)で、歴史の教科書の書き写しを5回させました。3回じゃなくて5回です。 私も 昔は、過激でした。
ある時、入試の過去問題を解いていたら、本居宣長が出てきました。この子が、本居宣長は町人の息子だというのです。
問題には、直接関係なかったのですが、何で知っているんだと聞くと、「人に教科書を書き写せと言ったくせに、何 言ってるんですか。先生。教科書に書いてありますよ」と言うのです。見てみるとほんとに、書いてありました。
さすがに、私もそんなこと知りませんでしたから、本当にビックリしました。こんなことの蓄積が、彼の心をくすぐったのでしょう。 歴史嫌いはどこに行ったのか、今では、大学で、歴史を専攻しています。
書き写しのパワー、恐るべしです。わかるとおもしろくなる。 好きになるってことですね。
教科書・授業ノートの書き写し時間がかかって非能率的な勉強方法です。
パッパッとやって終わりにしたいところです。極端な子だと、見ているだけで終わりにしています。でも、それでは、頭に入らない。すぐに忘れる。そんな方法 いつまで続けますか? バカバカしいと思うけど、書き写しの勉強をしてみるといいですよ。大変ですよ。でも、頭に入ります。
やっているうちに、要領やポイントがつかめるようになって、当初の理想だったパッパッとやる要領が、自分のものになってきます。
実は、 国語や作文が苦手な子にも国語の教科書の書き写しは効果があります。文字通り国語の教科書を、ノートか原稿用紙に書き写しすればいいんです。
小学校3.4年生が、一番効果が出るようです。このぐらいの時までなら、バカバカしいと思わず、まじめにできるからです。アホらしいと思い始めるようになってからだと、先の口頭試問のような形で、すぐに本人に結果がわかるしくみにしないと続かなくなります。
本当はこの方法 大人にも効果があります。今や有名になったジャーナリストの池上彰さんもNHKの駆け出しの記者のころ、先輩記者が書いた原稿を書き写すことをよくやったそうです。
何よりプロの小説家もやる訓練で、たとえば、浅田次郎が、川端康成や谷崎潤一郎の文章を、古くは井伏鱒二が、太宰治の文章を丸写ししながら、文章修業をしたのは有名な話です。
この方法は、時間はかかります。でも、確実に頭に入ります。パッパッとやることをちょっと脇において、腹を据えて取り組んでみた方が、本当は一番いいのです。
社会は教科書だけでも350ページはあります。地理と歴史と公民と3つもあるから、3回書き写すのは、時間がかかりすぎる。そこで、テスト問題、入試問題を調べまくって、今では、理科、社会の【オリジナルの書き写しテキスト】を準備しています。歴史でも、A4でたった12ページの書き写しテキストです。
定期テストなら試験範囲は、このテキストで2ページぐらい。書き写しながら、口頭試問を受けて、2.3回書き写す。そのあと早押しクイズ形式で、3問連続正解した者から終了なんでゲーム方式にすると盛り上がって盛り上がって大変。
こんなテスト対策をやっているのは、マックスだけです。一度、お子さんも体験してみませんか。
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