第3章:差別にNO!自由にYES!|平等権と自由権を学ぼう ✨
みんなが安心して、そして自分らしく生きられるようにするために、日本国憲法には「基本的人権」が書かれています。
ここでは 平等権 と 自由権 を、具体例を交えて楽しく整理していきましょう!
⚖️ 平等権(憲法14条:法の下の平等)
「すべての人は平等に扱われる」――これが平等権です。
人種・性別・身分・考え方で差別されてはいけません。
👉 例:
「女子だから委員長はできない」
「外国人だから部活に入れない」
こう言われたら、憲法違反です!
差別の現実と法律の対応
しかし、日本社会には差別の歴史がありました。
- 同和問題(部落差別) 👉 江戸時代から続いた差別。これをなくすために、国は 同和対策審議会 を設けて改善を進めました。
- アイヌ民族への差別 👉 北海道の先住民族。差別をなくすために アイヌ文化振興法(1997年) が作られました。
- 在日韓国・朝鮮人への差別 👉 就職や日常生活で不当な扱いを受けることがありました。国籍や永住資格の改善、就職差別の禁止などで少しずつ改善されています。
男女の働く場での平等
働くときにも差別がありました。
「女性だから不採用」や「昇進させない」などの問題です。
これを直すために次の法律ができました。
- 男女雇用機会均等法(1985年)
👉 「雇用での男女差別をなくす」法律。採用や昇進で「女性だから不利」は禁止。 - 男女共同参画社会基本法(1999年)
👉 「社会全体で男女が協力できる」法律。仕事だけでなく子育てや地域活動も男女が対等に参加できる社会を目指します。
💡 ポイント
- 「雇用での平等」=男女雇用機会均等法
- 「社会全体の協力」=男女共同参画基本法
🕊️ 自由権
「自分の好きなように考えたり行動できる」権利です。
ただし、他の人を傷つけたり迷惑をかけたりすると制限されます。
精神の自由(心の自由)
- 思想・良心の自由 👉 「戦争はいやだ」と思うのも自由。
- 信教の自由 👉 神社に行っても、教会に行っても、信じなくても自由。
- 表現の自由 👉 意見をSNSで発信する、本を書く、演劇や音楽をするのも自由。
🛑 検閲の禁止
検閲(けんえつ) って何?
国や役所が「発表される前に」本や新聞、映画などをチェックして「これはダメ!」と止めることです。
👉 例:
- 君が学校新聞を作ったときに、先生が「配る前に全部見せろ。気に入らない記事は消せ」と命令する。
- 映画監督の作品を上映前に、政府が一部を強制的に削除する。
📌 憲法は「検閲は禁止」とはっきり決めています。
身体の自由(体の自由)
- 逮捕令状が必要 👉 よくドラマで刑事が胸ポケットから「逮捕令状」を出すシーンがあるよね。
あれは裁判官が出すもので、勝手に警察が逮捕はできません。 - 拷問の禁止 👉 自白させるために暴力を使うのは禁止。
- 奴隷的拘束の禁止 👉 強制的に働かせることはできません。
経済活動の自由(お金や仕事の自由)
- 居住・移転の自由 👉 好きな町に引っ越せる。
- 職業選択の自由 👉 将来、医者やゲームクリエイターになるのも自由。
ただし「明日から医者!」は資格がないとできません。 - 財産権の保障 👉 自分の家や自転車を勝手に取り上げられない。
🌐 公共の福祉
「自由にしていいよ!」とはいえ、他の人に迷惑をかけたらダメ。
これが 公共の福祉 です。
👉 例:
- 夜中に爆音で音楽を流すのは、近所に迷惑だから制限される。
- 「資格なしで医者になる」のは、他人の命を危険にさらすから制限される。
📌 公共の福祉=「みんなが安心して生活できるように自由を調整すること」
🎯 確認問題
番号 | 問題 |
---|---|
① | 雇用での男女の平等を守るためにつくられた法律は何ですか? |
② | 同和問題(部落差別)に対して国はどんな取り組みを進めましたか? |
③ | 「社会全体で男女が協力して活躍する社会」を目指した法律は何ですか? |
④ | 「検閲」とは何ですか?また憲法ではどうなっていますか? |
⑤ | 逮捕に必要なものは何ですか?それは誰が発行しますか? |
⑥ | 公共の福祉とはどんなこと?具体例を1つ答えなさい。 |
✅ 答えと解説
番号 | 答えと解説 |
---|---|
① | 男女雇用機会均等法 👉 雇用での男女差別をなくすための法律 |
② | 同和対策審議会 👉 部落差別解消のために設けられた |
③ | 男女共同参画社会基本法 👉 社会全体で男女が協力できる社会を目指した法律 |
④ | 検閲 👉 国が発表前に内容をチェックして止めること。憲法で禁止されている |
⑤ | 逮捕令状 👉 裁判官が発行。これがないと警察は逮捕できない(現行犯は別) |
⑥ | 公共の福祉 👉 みんなが安心して生活できるように自由を調整すること。例:夜中に大声を出すのは禁止 |
🌈 まとめ
- 平等権 👉 差別をなくす権利。同和問題・アイヌ民族・在日韓国・朝鮮人差別の解消に向けて法律や政策が進められた。さらに職場での平等のために 男女雇用機会均等法 と 男女共同参画社会基本法 がある。
- 自由権 👉 精神の自由・身体の自由・経済活動の自由がある。「検閲は禁止!」も大切なポイント。
- 公共の福祉 👉 自由は大事だけど、みんなが安心して暮らすために必要な制限。
👉 入試の定番は 「法の下の平等」「公共の福祉」「検閲禁止」!