天気・気圧・雲・前線を
ゆうと&あかりと超噛み砕き理解
「理科室にある温度計、なんか片方だけ包帯まかれてない?」
そんなふうに不思議に思ったことが、僕にもありました……。
でも、その「包帯」にこそ、湿度の秘密が隠されています。
そして実は、入試本番で乾湿計の表が出たとき、「ある引き算」を忘れて不正解になる生徒が後を絶ちません。
今回は、なぜ濡れている方が温度が下がるのか? そして、絶対に間違えない「表の読み方」について、
理科が苦手なゆうとくんと一緒に見ていきましょう。
登場人物
👦 ゆうと:理科が大嫌い。感覚で解いてよく爆死する。
👧 あかり:理科が得意。「理科は暗記じゃなくてルール」が信条。
第1部 ストーリー解説
「ねえ、この温度計……壊れてない?」
👦 ゆうと
「なあ、理科室にある温度計さ。
2本並んでるやつあるじゃん。
片方だけ、なんか包帯ぐるぐる巻きにされてない?」
👧 あかり
「あー、乾湿計(かんしつけい)ね。
あれは怪我してるわけじゃないよ(笑)」
👦 ゆうと
「しかもさ、下の水につかってるし。
なんか可哀想なんだけど。」
👧 あかり
「あれが湿度の測り方なの。
包帯みたいなガーゼで濡らしてる方が『湿球(しっきゅう)』。
何もしてない普通のが『乾球(かんきゅう)』。」
👦 ゆうと
「へぇ。
……で、なんで2本もいんの?
1本でよくない?」
👧 あかり
「じゃあ、温度見てみて。
2本とも同じ温度?」
👦 ゆうと
「えーと……
何もしてない乾球は、18℃。
濡れてる湿球は、16℃。
……あれ? 濡れてる方が低い。」
👧 あかり
「そう。これが湿度のヒント。」
「気化熱」は「熱の持ち逃げ」だ!
👦 ゆうと
「なんで濡れてると温度下がるんだ?
水が冷たいから?」
👧 あかり
「ブブー。水は室温と同じだよ。」
👦 ゆうと
「え、じゃあなんで?」
👧 あかり
「ゆうと君、予防接種のとき思い出して。
腕にアルコール塗られると、スースーして冷たくない?」
👦 ゆうと
「あー、冷たい!
あれ、なんで?」
👧 あかり
「あれはね、アルコールが乾く(蒸発する)ときに、
腕の『熱』を奪って逃げてるからなの。」
👦 ゆうと
「熱を……奪う?」
👧 あかり
「そう。液体が気体になるとき、周りから熱を奪う。
これを『気化熱(きかねつ)』って言うの。
汗かいたあと、風に当たると涼しいのも同じ理由。」
👦 ゆうと
「なるほど!
汗が乾くときに、俺の熱を持ち逃げしてるのか!」
👧 あかり
「その通り。
湿球も同じ。
ガーゼの水が蒸発するときに、温度計の熱を奪うから、
乾球より温度が低くなるんだよ。」
湿度が100%だと、温度差はどうなる?
👧 あかり
「ここからがクイズ。
空気がカラッカラに乾燥してるとき、
湿球の水は、よく乾く? 乾かない?」
👦 ゆうと
「乾燥してるなら、洗濯物と同じですぐ乾くでしょ。」
👧 あかり
「正解。
じゃあ、バンバン乾く(蒸発する)ってことは、
熱はどうなる?」
👦 ゆうと
「バンバン奪われる……から、
温度がめっっっちゃ下がる!」
👧 あかり
「そう!
だから、乾球と湿球の『温度差』が大きかったら、空気は乾燥してる(湿度は低い)ってこと。」
👦 ゆうと
「なるほど!
じゃあ逆に、雨の日みたいにジメジメしてたら?」
👧 あかり
「湿気が多いと、水は蒸発しにくいよね。
ということは、熱も奪われない。」
👦 ゆうと
「つまり……温度があんまり下がらない?」
👧 あかり
「そう。
じゃあ究極の質問。
湿度100%(もうこれ以上蒸発できない状態)だったら?」
👦 ゆうと
「えっと……
蒸発しない → 熱も奪われない → 温度下がらない。
ってことは、乾球と同じ温度になる?」
👧 あかり
「大正解!
温度差0℃ = 湿度100%。
これ、テストでめっちゃ出るよ。」
👦 ゆうと
「うわ、全部つながったわ。
『気化熱』が犯人だったのか。」
湿度表は「引き算」してから見る
👧 あかり
「理屈がわかれば、あのややこしい表も読めるよ。
さっきの温度でやってみよう。」
- 乾球(乾いている方):18℃
- 湿球(濡れている方):16℃
【図:指示】ここに「湿度表(乾湿計用)」のイラスト
👦 ゆうと
「えっと、表の『18℃』と『16℃』がぶつかるところを見ればいいの?」
👧 あかり
「ストップ!!
そこが最大の罠(わな)!」
👦 ゆうと
「えっ、違うの?」
👧 あかり
「表の横軸をよーく見て。」
👦 ゆうと
「えっと……
『乾球と湿球の示度の差』?」
👧 あかり
「そう。差(引き算)なの!
湿球の『16℃』を探しちゃダメ。」
- まず引き算する!
- 18℃ − 16℃ = 2℃(これが差!)
- 縦の18℃(乾球)と、横の2℃(差)がぶつかるところを見る。
👦 ゆうと
「あぶねー! そのまま16見るとこだった。
えっと、18℃と、差の2℃がぶつかるところは……
80%!」
👧 あかり
「正解!
この部屋の湿度は80%ってこと。」
👦 ゆうと
「これ、引き算忘れたら即死するやつじゃん。」
👧 あかり
「でしょ?
でも逆に言えば、『まずは引き算!』って覚えておけば、
周りが勝手に間違えてくれるサービス問題だよ。」
今日のまとめ
- 湿球が低い理由:水が蒸発して熱を奪うから(気化熱)。
- 温度差が大きい:よく乾いてる = 湿度は低い(乾燥)。
- 温度差が0:全く蒸発しない = 湿度は100%。
- 表の読み方:湿球の温度を探すな! 「引き算(差)」を探せ!
👦 ゆうと
「なんかさ、
あの包帯巻かれた温度計、
ただ濡らされてるだけじゃなくて、一生懸命計算してくれてたんだな……。」
👧 あかり
「ふふ、そう思うと可愛く見えてこない?」
👦 ゆうと
「……ちょっとだけね。」
【第2部】ここだけは押さえろ!湿度の求め方と乾湿計の表の読み方
ストーリー解説で学んだ内容の中から、テストで点数に直結する「3つの鉄則」を先生目線で整理します。
ここだけはノートにメモして、確実に暗記しましょう。
1. 記述対策:「なぜ湿球の方が温度が低い?」
記述問題で頻出です。以下のキーワードを必ず入れてください。
- キーワード:「水が蒸発するとき」「熱を奪う」「気化熱(きかねつ)」
- 模範解答:
「湿球のガーゼに含まれる水が蒸発するときに、熱を奪う(気化熱)ため。」
2. 乾湿計の鉄則
- 基本温度:基本的に「乾球 > 湿球」となる(湿球の方が低い)。
- 例外(湿度100%):「乾球 = 湿球」のとき、湿度は100%である。
- 雨の日など、空気が飽和していて水が全く蒸発しない状態です。
- ※湿球の方が高くなることは絶対にありません。もしそうなっていたら測定ミスか故障です。
3. 表の読み方は「引き算」が命
湿度表を使う問題で、最も多いミスが「湿球の温度をそのまま探してしまう」ことです。
必ず以下の手順を踏むクセをつけてください。
- 乾球の温度を読む。(例:18℃)
- 湿球の温度を読む。(例:16℃)
- 【最重要】引き算をして「差」を出す。(18 – 16 = 2℃)
- 表の縦(乾球18℃)と横(差2℃)が交わるところを読む。
★覚え方:「湿度は、引いてから読む!」
【第3部】よくある質問(Q&A)|中学生の「どうして?」を解決
- Q1. 湿球(濡れている方)の温度が、乾球より高くなることはありますか?
-
中学生が直感的に「どうして?」と疑問に思うポイントや、テストで引っかけ問題として出されやすい勘違いを3つ厳選して解説します。 - Q2. 湿度100%って、プールの中(水中)と同じことですか?
-
A. 違います。「空気の水筒が満タン」という意味です。
湿度は「その空気が持てる限界に対して、今どれくらい持っているか」の割合です。- 水中:そもそも空気がないので湿度の概念とは違います。
- 湿度100%:空気はありますが、もうこれ以上水蒸気を含めない状態。
これを超えると、あふれた分が「霧(きり)」や「雲」になります。
「溺れる」わけではなく、「洗濯物がこれ以上全く乾かない状態」とイメージしましょう。
- Q3. ガーゼの水が途中で乾いてしまったら、どうなりますか?
-
A. 乾球と同じ温度になってしまい、湿度が測れません。
水がなくなると蒸発が止まるので、「熱を奪う」現象もストップします。
すると、湿球の温度がどんどん上がっていき、最終的に乾球と同じ温度(室温)になります。
これをそのまま表で読むと「温度差0℃=湿度100%」という間違った結果になってしまうので、
常に水が入っているか確認する必要があります。
エンディング|次回予告
👦 ゆうと
「表の読み方もわかったし、湿度はこれで完璧だな!」
👧 あかり
「ふふ、ゆうと君。
残念ながら、まだ『ラスボス』が残ってるよ。」
👦 ゆうと
「え……まだあるの?」
👧 あかり
「次は『飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう)』。」
👦 ゆうと
「名前がいかつい! 絶対難しいやつじゃん!」
👧 あかり
「空気という名の『コップ』の話なんだけどね。
ここからが本格的な計算問題になるよ。」
👦 ゆうと
「うげぇ……計算……。」
👧 あかり
「でも大丈夫。
『コップの法則』さえわかれば、比の計算で倒せるから。」
👦 ゆうと
「……比の計算だけなら、いけるか?」
👧 あかり
「いける。
次回、その『コップ』の正体を暴きに行こう!」

