第2章:国のルールが大変身!?天皇から国民へ、日本国憲法のひみつ
みんな、国のルール「憲法」って聞くと、なんだかむずかしそうだよね。
でも大丈夫!ここでは 大日本帝国憲法と日本国憲法のちがい をわかりやすく整理して、三大原則や平和主義について楽しく学んでいこう!
📖 大日本帝国憲法(1889年〜1947年)
このときの主役(=主権者)は 天皇 でした。
国民は「臣民(しんみん)」と呼ばれ、権利は「天皇から与えられるもの」だった。
👉 だから国民の権利は、法律で簡単に制限されてしまったんだ。
📖 日本国憲法(1947年5月3日〜現在)
第二次世界大戦に負けたあと、新しい憲法がスタート!
主役は 国民 に。ここで 国民主権 が誕生したんだ。
天皇は「日本国と日本国民統合の象徴(シンボル)」に。政治の力は持たず、儀式だけを担当。
その儀式(=国事行為)は、必ず内閣の助言と承認が必要。
✨ 日本国憲法の三大原則
- 国民主権 👉 国の主役は国民!
- 基本的人権の尊重 👉 すべての国民の人権を守る!
- 平和主義 👉 戦争はしない!
👉 この3つは テストにめちゃくちゃ出る から要チェック!
🚫 平和主義と憲法第9条
- 第1項:戦争の放棄 → 日本は「戦争をしない」と宣言。
- 第2項:戦力の不保持・交戦権の否認 → 「軍隊は持たない。戦争する権利もない」と書かれている。
🤔 でも「自衛隊」はあるよね?
「軍隊を持たないはずなのに、自衛隊ってなに?」って思うよね。
政府の説明はこうなんだ:
👉 「国を守るための必要最小限の力ならOK」
日米安全保障条約(にちべいあんぜんほしょうじょうやく)
日本は憲法第9条で「戦争をしない・軍隊を持たない」と決めました。
でも「それなら日本はどうやって国を守るの?」という大きな問題が出てきます。
👉 そこで結ばれたのが 日米安全保障条約(1951年) です。
- 日本にアメリカ軍が駐留できる
- 日本が攻撃されたときは、アメリカが一緒に守ってくれる
➡️ この条約によって、日本の安全は「自衛隊+アメリカとの協力」で支えられています。
🌏 海外派遣へのハードル
日本は憲法第9条で「戦争はしない」と決めています。
だから「自衛隊を外国に出すなんて、戦争につながるんじゃないか?」という強い反対意見がありました。
海外に自衛隊を出すためには:
- 「武力の行使ではなく、人道的な活動ならいい」
- 「戦闘には参加しない」
といったルールを作り、慎重に条件を決める必要がありました。
こうした工夫の中で、日本はしだいに国際社会の平和活動に参加するようになったんです。
🌍 PKO(国連平和維持活動)
PKOは「Peace Keeping Operations(平和維持活動)」のこと。
戦争が終わった国で「もう一度戦争が起きないようにする」ための活動だよ。
たとえば、自衛隊が道路を直したり、水を運んだりして人々の生活を助ける。
👉 イメージは「けんかの後、先生が見守ってくれている」感じ!
✋ 集団的自衛権
- 個別的自衛権:自分の国が攻撃されたら、自分で守る。
- 集団的自衛権:仲間の国が攻撃されたら「それは自分の国にも関係ある!」として一緒に守る。
👉 例えるなら、となりの家が泥棒に入られて「次はうちも危ない!」と助けに行く感じ。
2015年に「安全保障関連法」ができて、条件つきで日本も使えるようになったよ。
✏️ 憲法改正の手続き
憲法は国の一番大切なルールだから、簡単には変えられない。
- 国会で発議(衆議院・参議院それぞれで3分の2以上の賛成)
- 国民投票(過半数の賛成が必要)
- 天皇の公布(決まったら天皇が発表)
基本確認問題
① 大日本帝国憲法で主権を持っていたのは誰ですか?
解答:天皇
解説:天皇が主権者で、国民は「臣民」(しんみん)とされていました。
② 日本国憲法で主権を持っているのは誰ですか?
解答:国民
解説:国民主権が定められ、国民が国の主役となりました。
③ 日本国憲法が施行された日はいつですか?
解答:1947年5月3日
解説:この日を憲法記念日として祝います。
④ 大日本帝国憲法のとき、国民の権利は誰から与えられたものでしたか?
解答:天皇
解説:天皇から与えられたため、法律で簡単に制限されました。
⑤ 日本国憲法の三大原則を3つ答えなさい。
解答:国民主権・基本的人権の尊重・平和主義
解説:この3つが現代の日本国憲法の柱です。
⑥ 日本国憲法で天皇はどんな立場になりましたか?
解答:日本国と日本国民統合の象徴
解説:天皇は政治の権限を持たず、儀式だけを担当します。
⑦ 天皇が行う儀式(国事行為)には何が必要ですか?
解答:内閣の助言と承認
解説:天皇は形式的に行うだけで、実際の政治の力は内閣が持っています。
⑧ 憲法第9条第1項で日本は何を放棄しましたか?
解答:戦争
解説:「戦争はしない」と宣言しています。
⑨ 憲法第9条第2項に書かれていることは何ですか?
解答:戦力を持たない・交戦権を認めない
解説:軍隊を持たず、戦争する権利も否定しました。
⑩ それでも存在している「自衛隊」はなぜ認められていると説明されていますか?
解答:国を守るための必要最小限の力だから
解説:政府は「防衛のためなら憲法違反ではない」と説明しています。
⑪ 日本とアメリカが1951年に結んだ安全保障に関する条約は何ですか?
解答:日米安全保障条約
解説:アメリカ軍が日本に駐留し、日本が攻撃されたときに守ってくれる仕組みです。
⑫ 日米安全保障条約によって日本の安全は何によって守られていますか?
解答:自衛隊とアメリカとの協力
解説:憲法の制約がある中で、日本の安全を確保する仕組みになっています。
⑬ 日本が自衛隊を海外に出すとき、なぜ議論が起こったのですか?
解答:戦争につながるのではないかと心配されたから
解説:憲法第9条があるため、海外派遣には大きな反対がありました。
⑭ 自衛隊が海外に出るときに決められた条件を2つ挙げなさい。
解答:「武力の行使ではなく人道的な活動」「戦闘には参加しない」
解説:憲法との矛盾を避けるために厳しいルールが作られました。
⑮ PKOとは何の略ですか?
解答:Peace Keeping Operations(国連平和維持活動)
解説:戦争後の国で再び戦争が起きないように活動することです。
⑯ PKOで自衛隊はどんな活動をしていますか?
解答:道路を直したり、水を運んだりするなど生活の支援
解説:戦闘ではなく、人々の生活を守るための活動です。
⑰ 個別的自衛権とは何ですか?
解答:自分の国が攻撃されたら自分で守る権利
解説:自国防衛のための基本的な権利です。
⑱ 集団的自衛権とは何ですか?
解答:仲間の国が攻撃されたときに一緒に守る権利
解説:2015年の安全保障関連法で、条件つきで日本も行使できるようになりました。
⑲ 集団的自衛権を身近な例で表すとどんなイメージですか?
解答:となりの家が泥棒に入られて「次はうちも危ない!」と助けに行くこと
解説:他国の危機を自国の危機と考えて一緒に守る考え方です。
⑳ 憲法改正の手続きを3ステップで答えなさい。
解答:国会で発議 → 国民投票 → 天皇の公布
解説:憲法は国の最高法規なので、特別に厳しい手続きが必要です。
🎯 確認問題
① 大日本帝国憲法で主権を持っていたのは誰ですか?
② 日本国憲法がスタートした日はいつですか?
③ 日本国憲法の三大原則をすべて答えなさい。
④ 憲法第9条第2項に書かれている内容は何ですか?
⑤ 自衛隊はなぜ憲法違反にならないと説明されていますか?
⑥ 日米安全保障条約の内容を簡単に説明してください。
⑦ PKOで自衛隊はどんな活動をしていますか?
⑧ 集団的自衛権を例えると、どんな身近な状況に近いですか?
⑨ 憲法改正の手続きを3ステップで答えなさい。
⑩ 国民が直接投票で憲法改正に参加できる仕組みを何といいますか?
✅ 答えと解説
① 天皇 👉 国民ではなく天皇が主権者だった。
② 1947年5月3日 👉 日本国憲法が施行された日。
③ 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義 👉 三大原則は入試の定番!
④ 戦力の不保持・交戦権の否認 👉 軍隊を持たず、戦争する権利も認めない。
⑤ 必要最小限の自衛のため 👉 自衛隊は「国を守るための最小限の力」と説明されている。
⑥ アメリカ軍の駐留と、日本が攻撃されたときの共同防衛 👉 日本は戦争をしない憲法のルールを守りながら、安全を確保するためにアメリカと協力している。
⑦ 道路を直したり、水を運んだりして生活を助ける 👉 戦争後の国で再び戦争が起きないようにする活動。
⑧ となりの家が泥棒に入られて「次はうちも危ない!」と助けに行くイメージ 👉 仲間を一緒に守ること。
⑨ 国会の発議 → 国民投票 → 天皇の公布 👉 この順番を必ず覚えよう!
⑩ 国民投票 👉 国民が直接参加することで初めて改正できる。
🌈 まとめ
- 大日本帝国憲法:主権は天皇、国民の権利は制限されやすかった
- 日本国憲法(1947年5月3日〜):主権は国民、三大原則を柱にスタート
- 憲法第9条:平和主義の象徴。自衛隊・日米安保・PKO・集団的自衛権との関係も重要
- 憲法改正:国会 → 国民投票 → 天皇の公布、とハードルが高い
👉 入試の定番は「大日本帝国憲法との違い」「三大原則」「平和主義と第9条」!