中3理科 記録タイマー完全解説|速さの計算・打点間隔・瞬間と平均の速さをやさしく解説
シーン1:理科室にて
ゆうと:「わぁ、記録タイマー?え?“記録する”?“タイマー”? 記録するタイマーって何のこと?」
あかり:「ふふっ、ちょっとややこしい名前だよね。でもこれは“動いているものの様子を点で記録する道具”なんだよ。」
ゆうと:「点で記録?どういうこと?」
あかり:「台車にテープをつけて動かすと、そのテープに一定のリズムで点が打たれていくの。」
ゆうと:「ふーん……でも“一定のリズム”ってどうやって決まってるの?」
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中3理科 周波数とは|東日本50Hz・西日本60Hzの違いと記録タイマーの打点間隔を解説
シーン2:周波数の秘密
あかり:「いい質問!実は、電気の“波”の数で決まってるんだよ。これを“周波数”って言うの。
周波数は、1秒間に何回波があるかを表していて、東日本は50回、西日本は60回なんだ。」
ゆうと:「えっ、電気にも波があるんだ!」
あかり:「そう。だから東日本では1秒間に50点、西日本では60点打たれるの。
つまり点と点の間は、東日本だと1/50秒、西日本だと1/60秒ってことになるんだよ。」
ゆうと:「なるほど!1秒に2回点を打つなら1/2秒、3回なら1/3秒ってことか。だから50回なら1/50秒ってわけだね。」
あかり:「その通り!算数の分数と同じ考え方なんだよ。」
中3理科 記録タイマーの見方|点と点の間隔から加速・減速・等速運動を判断する方法
シーン3:点と点の間で運動を読む
ゆうと:「じゃあ、点と点の間は、どんな時でも同じ時間を表してるってこと?」
あかり:「うん。そして、その間にどれくらい進んだかを比べれば速さがわかるんだよ。
点の間隔が広いと短い時間でたくさん進んだ=速い。狭いと短い時間であまり進まなかった=遅い。
ずっと同じなら“速さが一定”ってわかるの。」
ゆうと:「おぉ、“点と点の間=運動の手がかり”ってことだね!」
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中3理科 記録タイマーの計算方法|距離と時間から速さを求める練習
シーン4:次は計算に挑戦!
あかり:「じゃ、実際にテープを使って速さを出してみようか。」
ゆうと:「うっ、ついに計算か……。」
あかり:「大丈夫。比を使えばすごく簡単だよ。」
中3理科 記録タイマーの速さの計算方法|距離と時間から速さを出す練習
シーン5:比で速さを求める
あかり:「たとえば西日本のタイマーだと、6打点分=0.1秒になるよね。その間に6.4cm進んだとするよ。」
ゆうと:「うん。」
あかり:「じゃあ、比で考えると――
0.1秒 : 6.4cm = 1秒 : x cm
これを計算すれば、x = 64cm。つまり1秒間に64cm進んでるってことになるの。」
ゆうと:「おぉ!“速さ=距離÷時間”ってややこしく考えなくても、比でスッと出せるんだね!」
あかり:「そう。比の形にすると算数っぽくて分かりやすいでしょ?」
中3理科 瞬間の速さと平均の速さ|違いと記録タイマーでの調べ方をやさしく解説
シーン6:瞬間の速さと平均の速さ
ゆうと:「でもさ、問題集には“瞬間の速さ”とか“平均の速さ”とか書いてあるけど……どう違うの?」
あかり:「いいところに気づいたね!
“瞬間の速さ”はその瞬間のスピード。たとえば車のスピードメーターに出てるのがそれ。
一方、“平均の速さ”は全体をならしたスピード。たとえば新幹線が東京から博多まで5時間で走ったとき、出たり止まったりを全部ならして計算したのが“平均”だよ。」
ゆうと:「なるほど!記録タイマーで細かい区間を調べれば“瞬間”、長い区間を調べれば“平均”ってことか!」
あかり:「そうそう!だから記録タイマーは運動を深く理解するのにピッタリの道具なんだよ。」
中3理科 記録タイマーのまとめ|打点間隔・速さの計算・瞬間と平均の速さを総復習
シーン7:まとめ
ゆうと:「最初は“記録タイマー”って聞くだけで頭痛かったけど、点と点の間の時間を考えれば仕組みはシンプルなんだね!」
あかり:「うん。『一定のリズムで打たれる点』と『その間に進んだ距離』を比べる――それだけで速さがわかるんだよ。」
ゆうと:「よし!これならテストでもいけそうだ!」
点の間隔が運動を語る。—これが記録タイマーのいちばんの秘密!
クイズ5問
あかり:「よーし、クイズのスタート!じゃあ第①問!」
- あかり:「記録タイマーは、物体の運動をどうやって記録する装置でしょう?」
-
ゆうと:「答えは……点を打つ装置!」
- ゆうと:「次はオレから。第②問!東日本と西日本で打点回数が違うのはなぜ?」
-
あかり:「うん、それは……電気の周波数が違うから!」
- あかり:「じゃあ第③問!東日本では、1打点あたりの時間は何秒?」
-
ゆうと:「これは簡単!1/50秒!」1秒間に50回打つ。
- ゆうと:「じゃあ第④問。打点の間隔がだんだん広がっていくと、物体はどうなってる?」
-
あかり:「それは……加速してる(だんだん速くなってる)!」
- あかり:「最後の第⑤問!0.1秒で6.4cm進んだとき、1秒で進む距離は?」
-
ゆうと:「比を使うんだよね。0.1秒 : 6.4cm = 1秒 : x cm。だから……64cm!」
中3理科 記録タイマーの要点まとめ|打点間隔の見方と速さの計算のポイント
① 周波数が地域で違うから打点間の時間は、
東日本は1/50秒、西日本は1/60秒ごと。
② 打点の間隔が広い → 速くなっている(加速)
③ 打点の間隔が狭い → 遅くなっている(減速)
④ 打点の間隔が変わらない → 一定の速さ(等速運動)
⑤ 速さは比で求める!
例)0.1秒で5.2cm進んだとき、 0.1秒 : 5.2cm = 1秒 : x cm
→ x = 52cm/秒
中3理科 記録タイマーの確認テスト|一問一答形式で基礎をチェック
確認テスト
① 周波数とは何を表す?
答え:1秒間に波が何回あるか
解説:電気の性質で、東日本は50回(50Hz)、西日本は60回(60Hz)。
② 東日本の周波数と1打点あたりの時間は?
答え:50Hz、1/50秒
解説:1秒に50回点が打たれるので、点と点の間隔は必ず1/50秒になる。
③ 西日本の周波数と1打点あたりの時間は?
答え:60Hz、1/60秒
解説:1秒に60回点が打たれるので、点と点の間隔は必ず1/60秒。
④ 記録タイマーは何を調べるための道具?
答え:物体の運動を調べるため
解説:記録テープに打点し、速さや加速度がわかる。
⑤ 打点の間隔が広くなっているときの運動は?
答え:減速(だんだん遅くなる)
解説:同じ時間で進む距離が小さくなっているから。
⑥ 打点の間隔が狭くなっているときの運動は?
答え:減速(だんだん遅くなる)
解説:同じ時間で進む距離が小さくなっているから。
⑦ 打点の間隔が変わらないときの運動は?
答え:等速直線運動
解説:同じ時間で同じ距離を進んでいる。
⑧ 「0.1秒で11.4cm進んだ」場合、1秒では何cm進む?
答え:114cm
解説:0.1秒 : 11.4cm = 1秒 : x cm → x = 114cm。比を使えば簡単。
⑨ 記録タイマーで“打点間隔の長さ”が意味するものは何?
答え:一定の時間ごとに進んだ距離(=速さの手がかり)
解説:打点どうしの間は常に同じ時間を表し、間隔の広さで速さがわかる。
⑩ 「瞬間の速さ」とは何?
答え:ある瞬間の速さ(スピードメーターの値)
⑪ 「平均の速さ」とは何?
答え:全体の距離÷全体の時間
解説:新幹線の平均時速のように、出発から到着までをまとめて計算する。
⑫ 記録テープをグラフ化するとき、横軸と縦軸は?
答え:横軸=時間、縦軸=速さ
解説:各区間の時間は決まっているので、長さは速さを意味する。
⑬ 「点と点の間隔が広い=速い」と言える理由は?
答え:同じ時間で進む距離が大きいから
解説:0.1秒間で進んだ距離が長い=速い。
⑭ 記録タイマーを使うメリットは?
答え:運動を「見える化」できる
解説:速さや変化の様子を具体的にデータで確認できる。