🏢️「通学路の信号」「新しい公園」――
それ、ぜんぶ“地方自治”のおかげなんです!
身近な政治のしくみを、ゆうと&あかりの会話でスッキリ理解しよう!
🏙️第1回:身近な政治「地方自治」ってなに?
👦ゆうと:「ねえ、あかり。“地方自治”って授業で出てきたけど、正直よくわかんないんだ。ニュースで見るのは総理大臣とか国会ばっかりで、“知事”とか“市長”って聞いてもピンとこないんだよね。」
👧あかり:「うん、そう感じる人、多いんだよ。でもね、地方自治って、君の“毎日の生活”にいちばん近い政治なんだよ!」
🌱 1. 地方自治って、そもそもなに?
👧あかり:「“地方自治”っていうのは、簡単に言うとこういうこと。
👉 “自分たちの住む地域のことは、自分たちで決めよう” っていう考え方なの。」
👦ゆうと:「えっ、国じゃなくて、自分たちで決めてるの?」
👧あかり:「そう! 国(政府)が全部決めたら、全国どこでもルールになっちゃうでしょ? 車の運転のルールは同じじゃないと困るけど、例えば、雪の降る地方と降らない地方では地域によって、必要なことはちがうよね。だからこそ、その地域の人たちが、自分たちの代表を選んで話し合って決めるんだ。これが“地方自治”。」
👦ゆうと:「つまり、“地域のことを地域で決める”ってことか!」
👧あかり:「その通り✨ そしてその中心になるのが“地方公共団体”。都道府県と市町村のことをまとめてそう呼ぶよ。」
👦ゆうと:「“県”と“市町村”、両方あるのか!」
👧あかり:「うん。たとえば――
- “県”のトップは“知事”。県全体をまとめてる。
- “市”のトップは“市長”。市の中のことを担当してる。
 つまり、“県”は広い地域、“市町村”はもっと身近な地域を動かしているんだよ。」
🗳️ 2. まちのルールを決めるのはだれ?
👦ゆうと:「実際に“この道に信号をつけよう”とか“新しい図書館をつくろう”って、決めてるの?」
👧あかり:「それを考えて、実行しているのが“市長”や“町長”、そして“知事”たちなんだよ。」
👦ゆうと:「へぇ〜、みんなの代わりに考えてくれる人ってことか。」
👧あかり:「そう。しかもその人たちは、勝手に決まるんじゃなくて、“選挙”で住民が選んでいるんだ。
つまり、“主権(=最終的に決める力)は住民にある”んだよ。」
👦ゆうと:「学校のルールとちがって、街のルールは“みんなで選んだ人が決めてる”んだね!」
👧あかり:「そのとおり! だから“地方自治”は“民主主義の学校”って言われてるんだよ。
住民が自分たちの地域のことを考えて、話し合い、決めていく――まさに民主主義の練習の場なんだ。」
💼 3. 市長・町長・知事のお仕事って?
👦ゆうと:「でも、実際どんな仕事をしてるの?」
👧あかり:「たとえば――」
- 🚸 通学路に信号をつけたり、安全柵をつけたりする
- ❄️ 学校の空調を整えて、勉強しやすい環境にする
- 🏥 台風や地震のときに避難所を準備する
- 🌸 “市民まつり”など、市が主催する地域イベントを運営する
👧あかり:「“お祭り”といっても、商店街や企業がやるイベントとはちがうの。
“市主催”のイベントは、市役所が地域の人や団体と協力して、“地域の絆を深める”ために開いてるんだよ。」
👦ゆうと:「なるほど!同じお祭りでも、“誰が開くか”で意味がちがうんだね。」
👧あかり:「そうなんだ。こうやって地域の課題を解決したり、みんなが暮らしやすい街をつくったりするのが、市長や知事の大事なしごとなんだよ。」
⚖️ 4. 街のルールブック『条例』ってなに?
👦ゆうと:「あ、そういえば“街のルール”ってどうやって決まるの?国の法律だけじゃないんだよね?」
👧あかり:「いいところに気づいたね! 実はね、その地域だけで使えるルールがあるんだ。それが“条例(じょうれい)”なんだよ。」
👦ゆうと:「条例って、法律とどう違うの?」
👧あかり:「法律は“国が決めるルール”。
一方、条例は“地域の実情に合わせて、地方公共団体が決めるルール”なんだ。
たとえば――」
- 「ゴミを出す日は火曜と金曜にする」
- 「夜10時以降の花火は禁止」
- 「犬のフンは持ち帰りましょう」
👧あかり:「こういう地域ごとのルールは、議会が決めて、市長(や知事)が実行するんだよ。
だから、地域によって少しずつ違うの。」
👦ゆうと:「へぇ〜!ゴミの日が違うのも、そういう条例のせいなんだ!」
👧あかり:「そのとおり!条例は、“地域の個性”を生かしたまちづくりのカギなんだよ。」
🟢 5. 二元代表制ってなに?
👦ゆうと:「でも、さっき“市長がルールを決める”って言ってたけど、それなら議会はいらないんじゃない?」
👧あかり:「いい質問! 実はね、市長(知事)だけで全部決めちゃうと、間違ってても止められなくなるでしょ?
だから、市長(や知事)とは別に、住民が選んだ“議会”があるの。
この“2つの代表を住民が直接選ぶ仕組み”を二元代表制(にげんだいひょうせい)っていうんだ。」
👦ゆうと:「へぇ〜!つまり、どっちかが暴走しないように、お互いチェックしてるんだ。」
👧あかり:「その通り!議会が市長をチェックし、市長も議会の決定を実行するときに意見を伝える。
バランスを取りながら、“よりよい街づくり”をするための仕組みなんだよ。」
🗳️ 6.住民が直接まちの政治に関われる制度
👦ゆうと:「でもさ、市長とか議会が決めちゃったことを“ぼくたちが変えたい”って思ったら、どうすればいいの?」
👧あかり:「実はね、住民が政治に直接関われる制度もあるんだよ。
たとえば、“この条例を変えてほしい!”って思ったら、署名を集めて市長に出せる。これを直接請求権(ちょくせつせいきゅうけん)っていうんだ。」
👦ゆうと:「へぇ!ぼくたちの声で条例を変えられるかもしれないんだ!」
👧あかり:「そう。そして、もっと大きな問題――
たとえば“この町と隣の町を合併するかどうか”みたいなことは、住民投票(じゅうみんとうひょう)でみんなが直接決めることもあるよ。」
👦ゆうと:「すごい!ちゃんと意見を出せる仕組みがあるんだね!」
👧あかり:「うん。地方自治は、住民が“受け身”じゃなく“参加する側”になる政治なんだよ。」
🏛️ 7. 総理大臣とのちがい
👦ゆうと:「でも、ニュースで見る総理大臣とはどうちがうの?」
👧あかり:「いい質問! 総理大臣は“国全体”をまとめる人。外交、防衛、全国の法律――大きな仕事をしてる。
一方、市長や知事は“地域限定の政治”。みんなの生活の近くで動いてるの。」
👦ゆうと:「つまり、国が“地図全体”を見てるなら、地方自治は“その中の1つの町をズームして見てる”感じか。」
👧あかり:「まさに!✨ だからこそ、地方自治は“暮らしと直結してる政治”なんだよ。」
✨まとめ
👧あかり:「今日のまとめ、いくよ!」
- 地方自治とは、“自分たちの地域のことを自分たちで決める”仕組み
- 市長や知事は、住民が選ぶ地域のリーダー
- 条例は、地域ごとに決める“まちのルールブック”
- 住民も、直接請求や住民投票で政治に参加できる
- 二元代表制で、市長と議会が協力&チェック
- 地方自治は、みんなの生活のすぐそばにある政治!
- 地方自治は、「住民自治」と「団体自治」の2つの柱で成り立っているよ!
👦ゆうと:「“条例”とか“直接請求”って、なんか難しいけど、自分たちの生活に関係あるんだね。」
👧あかり:「そうだよ。これを知ってるだけで、ニュースの“市の条例が改正されました”って言葉がぐっと身近に感じるよ!」
🌟ギモンで深める!Q&A:地方自治の考え方
- Q1:なんで「地方自治」って必要なの?国が全部決めたらダメなの?
- 
👦ゆうと:「国が全部まとめて決めた方が早いんじゃない?地方自治なんて、わざわざ分ける必要あるの?」 👧あかり:「たしかに一見そのほうが楽そうだけど、地域によって“必要なこと”って全然違うんだよ。 
 たとえば、雪が多い町では“除雪車”が必要だけど、沖縄ではいらないでしょ?
 つまり“地域に合った決め方”をするために、地方自治があるんだよ。」👦ゆうと:「なるほど。地域ごとの“正解”を自分たちで考えるってことか!」 
- Q2:地方自治って、誰のための仕組みなの?
- 
👦ゆうと:「でもさ、地方自治って結局“政治家のため”の制度なんじゃないの?」 👧あかり:「ちがうよ!地方自治は“住民が主人公”の制度なんだよ。 
 住民が選んだ市長や議員が、“住民の声”をもとに町を動かしていくんだ。
 だから、地方自治の基本は“住民自治”。主役はいつもそこに住む人たちなんだ。」👦ゆうと:「政治家が主役じゃなくて、住民が主役なんだね。」 
- Q3:選挙で選ぶのに、なんで「議会」と「市長」の2つがあるの?
- 
👦ゆうと:「どっちも選ぶなら、どっちか1つでいいんじゃない?」 👧あかり:「いいところに気づいたね!でも、どちらか一方に力が集中すると、暴走する危険があるんだ。 
 だから“市長(知事)”と“議会”を別々に選んで、お互いにチェックし合う。
 これを“二元代表制”っていうんだ。バランスをとることで、より公正な政治になるんだよ。」👦ゆうと:「なるほど。お互いに見張り合うことで、町がよくなるんだ!」 
- Q4:住民は、選挙以外にどうやって意見を伝えられるの?
- 
👦ゆうと:「選挙は4年に1回くらいだけど、それ以外で意見を伝える方法ってあるの?」 👧あかり:「あるよ!“直接請求”っていう仕組みがあるんだ。 
 住民が署名を集めて、“この条例を変えてほしい”とか“議会を解散してほしい”って請求できるんだ。
 ほかにも、“住民投票”で町の大きな決定をみんなで決めることもあるよ。」👦ゆうと:「へぇ〜!ちゃんと声をあげれば、動かせる仕組みがあるんだね。」 
- Q5:地方自治って、結局ぼくたちに関係あるの?
- 
👦ゆうと:「なんか政治って大人の話って感じだけど、ぼくらにも関係あるの?」 👧あかり:「もちろんあるよ!地方自治の目的は、“みんなが安心して幸せに暮らせる地域”をつくること。 
 通学路の安全、学校の設備、公園の整備――ぜんぶ地方自治の力で変わるんだよ。
 だから“自分たちの町をどうしたいか”を考えることが、もう立派な“政治参加”なんだ。」👦ゆうと:「そっか!ぼくたちの生活のすぐそばに、地方自治があるんだね。」 
💬まとめメッセージ
👧あかり:「地方自治は、“地域のことを地域で決める”という、日本の民主主義の基本。
国がどうこうじゃなく、“自分たちの力で暮らしを良くする”という考え方が大切なんだよ。」
👨🏫先生のここだけは押さえろ!テストはここが出る!
① 地方自治とは?
👉 自分たちの住む地域のことを、自分たちで決めるしくみ。
国が全部決めるのではなく、地域ごとの課題を“住民の代表”が考えて解決するのがポイント。
➡ これを「地方自治(ちほうじち)」という。
② 地方公共団体(地方自治体)とは?
👉 地方自治を行う組織のこと。都道府県と市町村の2つがある。
 都道府県のリーダー → 知事
 市町村のリーダー → 市町村長(市長・町長・村長)
➡ それぞれ住民の代表として、地域をまとめる。
③ 住民こそが主役!
👉 地方自治の基本は「住民自治(じゅうみんじち)」。
住民が選挙で代表を選び、自分たちの地域をどうするかを決める。
つまり、「主権は国民(住民)にある!」という民主主義の考え方が、地方にも生きている。
④ 二元代表制とは?
👉 住民が、
① 行政のリーダー(市長・知事)と
② ルールを決める地方議会(議員)
の両方を直接選ぶ制度。
➡ これが「二元代表制(にげんだいひょうせい)」。
どちらかが一方的にならないように、お互いをチェックし合うことで政治のバランスを保つ。
⑤ 地方自治のしくみまとめ
| 分野 | 代表者 | 役割 | 
|---|---|---|
| 行政 | 市長・知事 | 政策を実行する(まちを動かす) | 
| 議会 | 議員 | 条例を作る・予算を決める・市長をチェックする | 
➡ 「住民 → 市長・議会 → まちづくり」この流れを覚えよう!
⑥ 団体自治とは?
👉 地方公共団体が、国から独立して自分たちの判断で仕事を行うこと。
➡ 「住民自治」と合わせて、地方自治の2つの柱。
✅ 地方自治の意味:「地域のことを地域で決める」
✅ 地方公共団体:都道府県・市町村
✅ リーダー:知事・市町村長
✅ 二元代表制:住民が市長と議会の両方を直接選ぶ
👨🏫先生よりひとこと:
「地方自治」は、ニュースでは地味に見えるけど、
実は“生活を支える政治”なんだ。
君たちが安心して登下校できるのも、公園がきれいなのも、
地方自治が働いているおかげ。
覚えるだけじゃなく、「身近な政治」として感じてみよう!
🧩確認テスト ~地方自治の基本をマスターしよう!~
① 地方自治とはどんな考え方ですか?
答え: 自分たちの地域のことを自分たちで決める仕組み。
解説: 「地方自治」は、国にまかせきりにせず、地域のことは地域で考えるという民主主義の大切な考え方。
② 地方自治を行う組織を何といいますか?
答え: 地方公共団体(地方自治体)
解説: 都道府県と市町村をまとめて「地方公共団体」と呼びます。法律上の正式名称です。
③ 都道府県のリーダーを何といいますか?
答え: 知事
解説: 都道府県をまとめる代表者。住民の選挙で選ばれます。
④ 市町村のリーダーを何といいますか?
答え: 市町村長(市長・町長・村長)
解説: それぞれの地域を代表するリーダー。こちらも住民の直接選挙で選ばれます。
⑤ 地方自治の中心となる考え方で、「住民が自分たちの地域を動かすこと」を何といいますか?
答え: 住民自治
解説: 地方自治の根本は「住民が主人公」。政治家ではなく、住民が主役という考え方です。
⑥ 市長(知事)と地方議会の両方を住民が直接選ぶ制度を何といいますか?
答え: 二元代表制
解説: 「行政の代表(市長・知事)」と「議会の代表(議員)」の二つを住民が選ぶ制度。お互いをチェックして公平に保ちます。
⑦ 地方公共団体が決める地域のルールを何といいますか?
答え: 条例(じょうれい)
解説: 国の法律とは別に、地域の実情に合わせて作るルールです。ゴミ出しの日や花火の禁止時間などがその例です。
⑧ 地方議会の主な仕事を3つ答えなさい。
答え: 条例を決める/予算を決める/市長(知事)の仕事をチェックする
解説: 地方議会は「ルールを作り」「お金の使い方を決め」「行政を監視」する役割を持ちます。
⑨ 地方自治で、住民が意見を直接反映できる制度を1つ挙げなさい。
答え: 直接請求権 または 住民投票
解説: 請求では署名を集めて条例の改正などを求められます。住民投票は町の大きな決定を直接決める制度です。
✅先生からのひとこと
「地方自治」はテストでも入試でもよく出るテーマだ!
特に『二元代表制』『住民自治』『条例』の3つは必ず覚えておこう。
ニュースで“市長”“県知事”“条例改正”が出たら、授業とつながってると思って見てごらん!
🎬エンディングストーリー
👦ゆうと:「あかり、ぼく昨日“おうち条例”作ったんだ!」
👧あかり:「おうち条例?」
👦ゆうと:「第1条『ゲームは勉強の一部とみなす!』」
👧あかり:「いきなりダメな予感しかしない。」
👦ゆうと:「第2条『お風呂は宿題が終わらなくても入ってよし!』」
👧あかり:「もうただの自分優遇条例!」
👦ゆうと:「でもお母さんとお父さんが“家庭議会”で反対して、2対1で否決されたんだ…」
👧あかり:「ちゃんと民主主義が機能してるじゃん!……でも結果はいつもゆうと少数派だね!」

 
	
 
			 
			 
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