📚 このブログは 「中3公民ストーリーシリーズ|定期テストも入試も安心」 の1本です。
「司法権」「裁判所」「三審制」「裁判員制度」など、公民でつまずきやすいテーマを、ゆうととあかりの会話で楽しく学べます。
→ 「裁判ってむずかしそう…」が「なるほど、そういうことか!」に変わる! わかる中3社会・司法シリーズ第4弾!
裁判所って何?【中3公民で学ぶ“司法権”のしくみと役割】
👦 ゆうと:「友だちにお金貸したのに返ってこなかったらどうする?」
👧 あかり:「まずは話し合い。でもダメなら“法律にもとづいて公正に判断”してくれる裁判所の出番!」
ポイント
- 司法権(しほうけん):法律にもとづき争いを公正に解決する力。
- 裁判所:その司法権を使って判断する場所(憲法で「司法権は裁判所に属する」)。
日本の裁判所の種類と仕組み【中学生にもわかる5つの裁判所】
👧 あかり:「日本の裁判所は5種類。事件の内容や重さで担当が分かれるよ。」
| 裁判所 | 主な役割 | 目安の数 |
|---|---|---|
| 最高裁判所 | 日本で一番上。最終判断・違憲審査の最終決定 | 1 |
| 高等裁判所 | 地裁の判断に不服→再び審理(控訴審) | 8 |
| 地方裁判所 | ふつうの事件の第一審 | 各地に設置 |
| 家庭裁判所 | 家族の問題・少年事件 | 各地に設置 |
| 簡易裁判所 | 軽い事件・140万円以下の民事など | 各地に設置 |
用語メモ:「第一審=最初の裁判」「控訴(こうそ)=上の裁判所にやり直しを求める」
三審制とは?【中3公民でよく出る“控訴・上告”をやさしく解説】
👦 ゆうと:「“控訴”“上告”ってよく聞くけど?」
👧 あかり:「同じ事件を最大3回まで審理できる三審制(さんしんせい)のこと。誤判を減らすための“安全装置”だよ。」
流れ
1回目:地方裁判所(第一審)
→ 控訴 → 2回目:高等裁判所(第二審)
→ 上告 → 3回目:最高裁判所(第三審・法律判断の最終)

司法権の独立とは?【中学生向けに“なぜ独立が必要なのか”を簡単に】
👦 ゆうと:「裁判官って、政府や国会の言いなりにならないの?」
👧 あかり:「ならない。司法権の独立があるから。裁判官は良心と法律にだけ従って裁くんだよ。」
ここが大事
- 行政(内閣)が“動かす”、立法(国会)が“決める”。
- 司法(裁判所)は“正義を守る”。だから他の権力から独立して公平を保つ必要がある。
憲法の番人=最高裁判所【違憲審査とその意味を中学生向けに解説】
👧 あかり:「最高裁判所は“憲法の番人”。法律や命令が憲法に合っているか最終チェックするよ。」
👦 ゆうと:「もし憲法違反だと?」
👧 あかり:「その法律は無効。これが違憲審査だよ。」
要点
- 違憲審査権:裁判所が“憲法に反してない?”を判断する権限。
- 最高裁:違憲審査の最終判断を下す。
民事裁判と刑事裁判の違い【中3公民|原告・被告・検察官を整理】
この表を見れば、どの裁判所が何を担当しているかが一目でわかります。
| 種類 | 何を決める? | 主な登場人物 |
|---|---|---|
| 民事裁判 | お金・契約・権利のトラブルをどう解決するか | 原告(訴える人)・被告(訴えられた人) |
| 刑事裁判 | 罪を犯したか、有罪/無罪・刑の重さ | 検察官(訴える役)・被告人(訴えられた人) |

役割の違い:警察=捜査して証拠集め、検察官=裁判所に訴える(起訴)
裁判官を守る仕組みとは?【身分保障と弾劾裁判・国民審査を整理】
👧 あかり:「裁判官が気に入らない判決を出したからって、簡単にクビにはできないんだ。」
👦 ゆうと:「なんで?」
👧 あかり:「権力に負けない公正さを守るための身分保障があるから。」
罷免できるのは3つだけ
- 心身の故障/2) 弾劾裁判(不正など)/3) 国民審査(最高裁判所の裁判官を選挙時にチェック)
えん罪と再審とは?【中学生にもわかる“間違いを正す司法”の仕組み】
👦 ゆうと:「もし無実の人が有罪になったら?」
👧 あかり:「それがえん罪。再審で“新しい証拠”をもとにやり直せるよ。
さらに無罪になった場合は刑事補償で救済される仕組みもある。」
えん罪を減らし、国民の目線でも公平さを確かめるために作られたのが、次の制度だよ。
裁判員制度とは?【中3公民で学ぶ“市民が参加する裁判”】
👧 あかり:「裁判員制度は、重大な刑事事件で一般の人(有権者)が裁判官と一緒に評議して有罪・無罪や量刑を決める制度。」
👦 ゆうと:「ぼくらも将来、参加するかもしれないんだね。」
👧 あかり:「そう。司法を“国民に開く”ことで、より公平で納得度の高い裁判をめざしているよ。」
ここまでで仕組みはバッチリ。次は“どうしてそんな仕組みなの?”というギモンを見ていこう!
🗳️ Q&Aでわかる!司法の考え方と仕組み【中学生の疑問をスッキリ解決】
- Q1 どうして裁判は「3回まで」できるの?
-
👦 ゆうと:「1回で終わりじゃダメなの?3回もやるなんて時間がかかりそう。」
👧 あかり:「たしかに時間はかかるけど、“間違いをできるだけ減らす”ためなんだよ。」
👦 ゆうと:「え、1回目でミスするかもしれないの?」
👧 あかり:「人がやることだからね。証拠の見方や法律の解釈が違うこともある。だから、別の裁判所で見直すチャンスを作ってるの。」
👦 ゆうと:「なるほど。三審制って“やり直し”じゃなくて、“見直し”なんだね。」 - Q2 どうして裁判官は「独立」してるの?
-
👦 ゆうと:「裁判官って、政府とかに“こうしろ”って言われたらイヤだね。」
👧 あかり:「そうならないように、“司法権の独立”があるの。政治の力や人気に流されず、“法律と自分の良心”だけで判断できるようにしてるんだ。」
👦 ゆうと:「なるほど。“正しいことを貫く勇気”を守る仕組みなんだね。」
👧 あかり:「そう!だからこそ、裁判所は“正義の最後の砦”って呼ばれるんだよ。」 - Q3 「裁判員制度」って、どうしてできたの?
-
👦 ゆうと:「裁判って専門家だけでやれば早いんじゃないの?」
👧 あかり:「うん、でも“早い”より“みんなが納得できる”方が大事なんだよ。」
👦 ゆうと:「あ〜、それで一般の人も参加するんだ。」
👧 あかり:「そう。裁判員制度は、“市民の感覚”を司法に取り入れるための制度。法律の専門家の考えだけじゃ見えない部分を、社会の常識から補うんだ。」
👦 ゆうと:「つまり、“みんなの正義”をつくるための制度なんだね。」 - Q4 えん罪を防ぐにはどうすればいいの?
-
👦 ゆうと:「ニュースで“えん罪”って聞くけど、どうして起きるの?」
👧 あかり:「いちばんの原因は“思い込み”や“証拠の見落とし”だよ。だから、三審制や再審制度があるんだ。」
👦 ゆうと:「再審って、もう一回やり直すこと?」
👧 あかり:「うん。新しい証拠が見つかったら、もう一度裁判をやり直せるの。えん罪をなくすために、“間違いを認めて正す勇気”も大事なんだ。」
👦 ゆうと:「なるほど、司法って“正義を守る”だけじゃなくて、“間違いを直す”仕組みでもあるんだね。」 - Q5 どうして国民が裁判官をチェックするの?
-
👦 ゆうと:「“国民審査”って、選挙のときに“×”つけるやつだよね?」
👧 あかり:「そう。最高裁の裁判官が“国民に信頼されてるか”をチェックできる仕組みだよ。」
👦 ゆうと:「へぇ〜、裁判官を選ぶわけじゃなくて、見張る感じなんだ。」
👧 あかり:「そうそう。司法も“国民の信頼”があってこそ成り立つ。だから、“選ばれる側”じゃなくて“信頼を試される側”なんだよ。」
👦 ゆうと:「それって、けっこうドキドキするね。でも、責任の重い仕事だってことも伝わるな。」
💬 ひとこと
「司法のしくみ」は、ただのルールじゃなくて、**“人の正義を守るための工夫”**なんだ。
速さよりも正確さを、人気よりも公平さを。
そうやって社会の信頼を守るのが“司法の力”なんだよ。
⚖️ 司法権・裁判所の確認テスト【第1部】
① 司法権とは何をする権限のことですか?
答え:法律にもとづいて争いごとを公正に判断する権限。
解説:司法権は、法律にもとづいて正義を守る力。裁判所がこれを担当します。
② 司法権を行使する機関はどこですか?
答え:裁判所。
解説:憲法に「司法権は裁判所に属する」と定められています。
③ 裁判所の中で、日本で一番上にある裁判所を何といいますか?
答え:最高裁判所。
解説:すべての裁判の最終的な判断を下す、日本で一番高い裁判所です
④ 最高裁判所のことを、特別に何と呼びますか?
答え:憲法の番人。
解説:法律や命令が憲法に違反していないかを最終的に判断するからです。
⑤ 最高裁判所の下にある裁判所をまとめて何といいますか?
答え:下級裁判所。
解説:高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の4種類があります。
⑥ 全国にある地方裁判所の数はいくつですか?(おおよそ)
答え:50か所。
解説:都道府県ごとに1か所あり、第一審(最初の裁判)を担当します。
⑦ 同じ事件を3回まで裁判できる制度を何といいますか?
答え:三審制。
解説:間違いを減らすために、地方→高等→最高と段階的に見直せる仕組みです。
⑧ 第一審の判決に不服があるときに出す申し立てを何といいますか?
答え:控訴(こうそ)。
解説:次の段階(高等裁判所)で再び審理を求めることです。
⑨ 高等裁判所の判決に不満があるときに出す申し立てを何といいますか?
答え:上告(じょうこく)。
解説:法律の解釈などを最高裁判所に判断してもらう手続きです。
⑩ 裁判官が他の権力から干渉を受けずに判断する仕組みを何といいますか?
答え:司法権の独立。
解説:裁判官は自分の良心と法律に従って判断し、内閣や国会の影響を受けません。
⚖️ 司法権・裁判所の確認テスト【第2部】
⑪ 最高裁判所の裁判官を形式的に任命するのは誰ですか?
答え:天皇。
解説:内閣が指名し、天皇が形式的に任命します。
⑫ 最高裁判所の裁判官が国民から信頼されているかどうかをチェックする制度は?
答え:国民審査。
解説:選挙のときに行われ、信頼できないと思う裁判官には「×」をつけます。
⑬ 国民審査が行われるタイミングはいつですか?
答え:衆議院議員総選挙のとき。
解説:選挙と同じ日に投票所で審査します。
⑭ 裁判官が罷免(クビ)されるのはどんな場合ですか?(3つ)
答え:①心身の故障 ②弾劾裁判 ③国民審査。
解説:この3つ以外の理由では罷免されません。身分保障があるからです。
⑮ 裁判のうち、お金や契約などのトラブルを扱う裁判を何といいますか?
答え:民事裁判。
解説:個人や会社などの“人と人との争い”を解決します。
⑯ 犯罪を裁くための裁判を何といいますか?
答え:刑事裁判。
解説:罪を犯したか、有罪か無罪か、刑の重さなどを判断します。
⑰ 民事裁判で訴える人と訴えられる人をそれぞれ何といいますか?
答え:訴える人=原告、訴えられる人=被告。
解説:民事ではこの2人の争いを裁判所が判断します。
⑱ 刑事裁判で訴える人と訴えられる人をそれぞれ何といいますか?
答え:訴える人=検察官、訴えられる人=被告人。
解説:警察が捜査し、検察官が起訴して裁判を行います。
⑲ 裁判員制度では、どんな人が裁判に参加しますか?
答え:20歳以上の一般の国民(有権者)。
解説:重大な刑事事件のとき、裁判官といっしょに一般の国民が裁判員として参加します。
市民の感覚を取り入れて、より公平でわかりやすい裁判にするための制度です。
⑳ 無実の人が有罪判決を受けてしまうことを何といいますか?
答え:えん罪(冤罪)。
解説:再審や刑事補償制度によって、えん罪を防ぎ・救済する仕組みがあります。
先生からこれだけは押さえろ!【中3公民・司法権と裁判所の最重要まとめ】
⚖️ 1. 司法とは何をするのか
- 司法権(しほうけん):
法律にもとづいて争いごとを公正に判断する権限。
👉「正義を守る最後のとりで」と言われる理由はここにある。 - 裁判所(さいばんしょ):
司法権を行使する機関。
行政(内閣)が“政治を動かす”のに対し、司法は“法律を守らせる”。
💬 覚え方ヒント:
立法=決める、行政=動かす、司法=守る(正義とルール)。
🏛️ 2. 裁判所のしくみ(階層と役割)
| 裁判所の種類 | 主な役割 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 最高裁判所 | 日本で一番上。最終判断を下す | 憲法の番人 |
| 高等裁判所 | 地方裁判所の判断を見直す(控訴審) | 見直し裁判 |
| 地方裁判所 | ふつうの事件の第一審 | 最初の裁判 |
| 家庭裁判所 | 家族・未成年に関する事件 | 家のトラブル担当 |
| 簡易裁判所 | 少額・軽い事件(140万円以下など) | 手軽な裁判 |
💡 ポイント
→ 裁判の順番は、簡・地→高→最
🔁 3. 三審制(さんしんせい)
- 同じ事件を3回まで裁判できる制度。
- 目的:誤判を防ぎ、より公正な判断をするため。
- 流れ:地方裁判所 → 高等裁判所 → 最高裁判所。
⚔️ 4. 民事裁判と刑事裁判
| 種類 | 主な内容 | 登場人物 |
|---|---|---|
| 民事裁判 | お金・契約・土地など人と人のトラブル | 原告・被告 |
| 刑事裁判 | 罪を犯したかどうか(犯罪の裁判) | 検察官・被告人 |
👮♀️ 警察と検察官のちがい
- 警察:事件の捜査・証拠集め
- 検察官:証拠をもとに裁判所に起訴(訴える)
🧑⚖️ 5. 裁判官と司法権の独立
- 司法権の独立:
裁判官は「良心と法律」にのみ従って判断し、
行政(内閣)や立法(国会)から干渉されない。 - 裁判官の身分保障:
①心身の故障 ②弾劾裁判 ③国民審査 以外ではクビにできない。
👉 公正な裁判を守るための「盾」。
🗳️ 6. 国民が関わる仕組み
- 国民審査:
最高裁判所の裁判官が信頼に値するかを国民がチェック。
👉 選挙のときに「×」をつけて判断。 - 裁判員制度(2009年〜):
重大な刑事事件に、一般の国民(有権者)が参加。
裁判官と一緒に有罪・無罪や刑の重さを話し合う。
👉 “市民の感覚”を司法に生かすための仕組み。
👑 7. 憲法の番人=最高裁判所
- 違憲審査権:
法律や命令が憲法に反していないかをチェックする権限。 - もし違反していたら?
→ その法律は「無効」。
💡 キーワード:
「最高裁=憲法の番人=違憲審査の最終決定者」
💔 8. えん罪と再審・補償
- えん罪(冤罪):無実の人が有罪にされること。
- 再審制度:新しい証拠が見つかれば、もう一度裁判をやり直せる。
- 刑事補償制度:えん罪が明らかになった場合、国が補償する。
📘 ここが大事!
間違いを「なかったこと」にせず、正す勇気を制度が支える。
⚖️ 9. 司法の目的をひとことで!
「正義を守ること。感情ではなく、法律にもとづいて公平に判断すること。」
この一文を言えるかどうかで、
“理解しているか/暗記しているだけか”がはっきり分かれます。
司法は、間違いを正し、正義を守る“社会の最後の砦”。この言葉をテストでも人生でも忘れないでほしい。
🌟 まとめフレーズで覚えよう!
| キーワード | 覚え方フレーズ |
|---|---|
| 三権分立 | 決める(立法)・動かす(行政)・守る(司法) |
| 三審制 | ミス防止の3段チェック |
| 憲法の番人 | 最後のジャッジ=最高裁 |
| 民事 vs 刑事 | 個人と個人/国と個人 |
| 裁判員制度 | 市民が正義を語る日 |
💬さいごに【ゆうととあかりが語る“正義のちから”】
👦 ゆうと:「ねぇあかり、もしオレが裁判官になったらさ、
“宿題を出しすぎた先生は有罪です!”って言ってみたいな。」
👧 あかり:「そんな裁判、全国の先生がドキドキするよ!」
👩🏫 先生:「あのねぇ……ゆうと裁判官、それは“職権の乱用”って言うんです!」
👦 ゆうと:「え、じゃあ“先生のチョコを勝手に食べたことは?」
👧 あかり:「それは、現行犯で逮捕だよ。」
(全員笑い)
👩🏫 先生:「でもね、本当の裁判は“罰すること”よりも“守ること”のためにあるんだよ。
人を責めるより、正しさを考える――それが司法の一番大事なところ。」
正義って、遠い世界の話じゃない。
君が“ちゃんとやろう”って思うその一瞬が、
もう立派な“ゆうと判決”なんだよ。
“ゆうと判決”、未来の君を守る力になるよ。

