歴史の流れを「理由」でつなぐ
「下関」と「ポーツマス」、条約の違いを完全攻略!
日清・日露戦争 ― 生き残りをかけたギリギリの戦い ―
この記事でわかること(今日の学習テーマ)
- なぜ日本は戦争を始めたの?(帝国主義の世界)
- 入試頻出!「下関条約」と「ポーツマス条約」の決定的な違い
- 不平等条約の改正と、産業革命の光と影
⚠️ ちょっと待って!
「富国強兵って何だっけ?」という人は、先に前回の記事をチェック!
ここを飛ばすと戦争の理由がわからなくなるよ!
👉 【明治維新編】富国強兵と近代化を読む
ゆうと 👦:
「明治維新で日本が近代化したのはわかったけど…
相手は『中国(清)』と『ロシア』だろ?
作りたての軍隊で、そんな大国にケンカ売って大丈夫なの? 普通に考えたら負けるじゃん。」
あかり 👩:
「いい感覚だね! 当時の世界中の人もそう思ってたの。
でも、日本には『負けたら植民地にされる』という強烈な恐怖と、勝つための緻密な計算があったんだよ。」
ゆうと 👦:
「計算…? 勢いだけじゃなかったのか。」
あかり 👩:
「そう。この2つの戦争は、日本の運命をかけた『絶対に負けられない戦い』だったの。
テストで一番狙われる『条約の違い』に注目しながら、激動のドラマを見ていこう!」
1. 世界は「帝国主義」! 食べるか食べられるか
当時の世界のルールはシンプルでした。「強い国が弱い国を支配する」。これが当たり前の時代だったのです。
弱肉強食のルール
あかり 👩:
「明治時代の世界は、『帝国主義』の真っ只中。
産業革命で強くなった欧米列強が、アジアやアフリカを早い者勝ちで植民地にしていたの。」
ゆうと 👦:
「ジャイアンがいっぱいいる世界だ…。」
あかり 👩:
「そう。日本は『食べられる側(植民地)』になりたくなかった。
だから、『食べる側(列強)』になって自分の身を守ろうとしたんだよ。」
2. 日清戦争(1894年) アジアの盟主は誰だ!?
きっかけは「朝鮮」の内乱
あかり 👩:
「日本が一番怖かったのは、お隣の『朝鮮』がロシアなどの強い国に支配されること。
『朝鮮が敵の基地になったら、次は日本が攻められる!』って考えたの。」
ゆうと 👦:
「だから朝鮮を守りたかったのか。」
あかり 👩:
「でも朝鮮は、ずっと中国(清)の子分(属国)だった。
そんな時、朝鮮で甲午農民戦争(こうごのうみんせんそう)という反乱が起きて、日本と清がどっちも軍隊を送った結果、ぶつかっちゃったの。」
日本の圧勝と「下関条約」
あかり 👩:
「結果は、近代化した日本軍の圧勝!
1895年、下関条約が結ばれたわ。」
(重要ポイント枠)
📝 入試要点:下関条約(1895年)
① 清は朝鮮の独立を認める。
② 遼東半島・台湾を日本にゆずる
③ 巨額の賠償金(約2億テール)を支払う。
使い道:八幡製鉄所の建設や軍備拡張へ!
ゆうと 👦:
「やったじゃん! 領土もお金もゲットだ!」
まさかの横やり! 三国干渉
あかり 👩:
「ところが! ロシアがドイツ・フランスを誘って、『遼東半島を清に返しなさい!』って脅してきたの。
これが三国干渉(さんごくかんしょう)。」
ゆうと 👦:
「はあ? せっかく勝って手に入れたのに!」
あかり 👩:
「でも、大国3つを相手にする力はまだない…。
日本は泣く泣く領土を返したわ。」
あかり 👩:
「この時、日本国民は特に『ロシア』に対して強烈な恨みを持ったの。
『いつか絶対に見返してやる!』っていう怒りが、ちょうど10年後の『日露戦争』へとつながっていくんだよ。」
3. 日露戦争(1904年) 世界が驚いた大番狂わせ
ロシアが居座った!?「義和団事件」
あかり 👩:
「さて、三国干渉でロシアへの復讐に燃える日本だけど、中国(清)でさらに決定的な事件が起きるの。
外国に支配されることに怒った民衆が、『扶清滅洋(ふしんめつよう)』(清を助け、外国を滅ぼす!)を
スローガンに大暴れしたの。
これを義和団事件(1900年)というわ。」
ゆうと 👦:
「中国の人たちも、植民地にされて怒ってたんだな。」
あかり 👩:
「そう。日本やロシアなどの連合軍がこれを鎮圧したんだけど…
事件が終わったのに、ロシアだけが満州(中国の北東部)に軍隊を置いて居座っちゃったの!」
ゆうと 👦:
「えっ、ドサクサに紛れて土地を奪う気かよ! ズルいな!」
あかり 👩:
「そう。ロシアが満州を占領して、さらに朝鮮に迫ってきた。
『このままじゃ日本もヤバい!』って危機感を持ったのが日本と、もう一国。イギリスだったの。」
最強の味方「日英同盟」と日本の勝因
あかり 👩:
「ロシアを倒したい日本。でもロシアは世界最強レベルの陸軍国。
そこで日本は、同じくロシアが嫌いなイギリスと手を組んだの。
これが1902年の『日英同盟』!」
ゆうと 👦:
「世界のボス・イギリスが味方についた!
…でもさ、いくらイギリスがバックについても、実際に戦うのは日本でしょ?
なんであんな大国に勝てたの?」
あかり 👩:
「いい質問!
世界中が『日本が負ける』と思ってたけど、日本には3つの勝因があったの。」
💡 なぜ日本はロシアに勝てた?
- 近代化された軍隊(明治維新の成果!)
- 日英同盟という外交(イギリスの情報支援など)
- 国全体をあげた総力戦(国民も増税に耐えた)
あかり 👩:
「この3つが揃っていたから、ギリギリのところで踏ん張れたんだよ。」
ギリギリの勝利と「ポーツマス条約」
あかり 👩:
「1904年、ついに日露戦争が勃発。
なんとか優勢のまま戦争を終わらせ、アメリカの仲介でポーツマス条約が結ばれたわ。」
(重要ポイント枠)
📝 入試要点:ポーツマス条約(1905年)
① 韓国における日本の優越権を認める。
② 遼東半島南部(旅順・大連)の租借権、南満州鉄道の権利をゆずる。
③ 北緯50度以南の樺太(からふと)をゆずる。
④ 賠償金はなし!(超重要)
ゆうと 👦:
「えっ、賠償金ゼロ!? あんなに頑張ったのに?」
あかり 👩:
「ロシアも余力がなかったからね。
でも国民はそれを知らなかったから、『ふざけんな!』って東京で暴動(日比谷焼打事件)が起きちゃったの。」
4. 戦争の「光」と「影」
2つの戦争に勝ったことで、日本は大きく変わりました。日本は近代国家として成功しましたが、その成功の方法は、欧米と同じ「帝国主義」だったという点も忘れてはいけません。
【光】不平等条約の改正と産業革命
あかり 👩:
「日本が強くなったことで、欧米も日本を認めてくれたわ。」
- 陸奥宗光:領事裁判権の撤廃(日清戦争の直前)
- 小村寿太郎:関税自主権の回復(日露戦争の後)
あかり 👩:
「さらに、賠償金で作った八幡製鉄所のおかげで、重工業が発展して『産業革命』が進んだの。」
【影】公害と労働問題
ゆうと 👦:
「工場がいっぱいできて、みんな豊かになったの?」
あかり 👩:
「国は豊かになったけど、働く人たちは大変だったの。
安い給料で長時間働かされて、『労働争議(ろうどうそうぎ)』というストライキも起きたわ。」
ゆうと 👦:
「急いで発展したひずみが出たんだね。」
あかり 👩:
「そう。さらに足尾銅山鉱毒事件(あしおどうざんこうどくじけん)という公害も起きた。
田中正造(たなかしょうぞう)が天皇に直訴しようとした話は、歴史の授業で必ず習う大事な事件だよ。」
【影】韓国併合と植民地支配
あかり 👩:
「そして、日本はロシアに勝ったことで、朝鮮半島での邪魔者がいなくなった。
そこで一気に『韓国併合(かんこくへいごう)』へと進んでいくの。」
ゆうと 👦:
「いきなり自分の国にしたの?」
あかり 👩:
「ううん、段階を踏んだんだよ。」
- 1905年: 韓国の外交権を奪って保護国にし、伊藤博文を初代の統監(とうかん)として送り込んだ。
- (※伊藤博文は後に、ハルビン駅で安重根に暗殺されたよ)
- 1910年: 韓国併合。国名を「朝鮮」に変え、朝鮮総督府(そうとくふ)を置いて植民地にした。
あかり 👩:
「ここでは日本語教育を行ったり、土地調査を行ったりして、日本の支配を強めていったの。」
ゆうと 👦:
「日本を守るためとはいえ、他の国を無理やり支配するようになっちゃったんだね…。」
5. よくある疑問 Q&Aコーナー
教科書には書いていない「大人の事情」を、あかりがこっそり教えます!
- Q1. なんで「三国干渉」で、日本はあっさり領土を返したの?
-
ゆうと 👦:
「せっかく戦争で勝ってゲットした遼東半島なのに、ロシアに『返せ』って言われてすぐに返したじゃん?
日本も『嫌だ!』って断ればよかったのに。」あかり 👩:
「気持ちはわかるけど、当時の日本には『100%無理』だったの。」ゆうと 👦:
「なんで?」あかり 👩:
「相手はロシアだけじゃなく、ドイツ・フランスという世界最強クラスの3チームが組んでいたからよ。
戦後のボロボロの状態で逆らったら、今度は日本がボコボコにされて植民地にされちゃう。
だから『涙を飲んで、今は我慢する(臥薪嘗胆)』しかなかったんだよ。」 - Q2. なんで世界最強の「イギリス」が、日本と手を組んでくれたの?
-
ゆうと 👦:
「当時のイギリスって、世界中の海を支配していた絶対王者だろ?
なんで東洋の小さな島国(日本)と、対等な『日英同盟』なんて結んでくれたの?」あかり 👩:
「それはね、イギリスにとっても『ロシアが邪魔だったから』なの。」ゆうと 👦:
「あ、イギリスもロシアが嫌いだったんだ。」あかり 👩:
「そう。ロシアがアジアにどんどん進出してくるのを止めたかったけど、
イギリスも遠すぎて手が回らなかった。
そこに、ロシアと戦う気満々の日本が現れたわけ。
『お、日本って国、使えるじゃん。俺たちの代わりにロシアを食い止めてくれよ』
っていうのが、イギリスの本音だったんだよ。」 - Q3. 日露戦争に勝ったのに、なんで賠償金がもらえなかったの?
-
ゆうと 👦:
「日清戦争の時はすごい金額(国家予算4年分)をもらえたのに、ロシアからは0円ってひどくない?
勝ったんだから『金払え!』って言えばいいじゃん。」あかり 👩:
「実はね…日本の勝利は『ギリギリの判定勝ち』だったの。」ゆうと 👦:
「圧倒的じゃなかったの?」あかり 👩:
「うん。日本はもうお金も兵士も弾薬もスッカラカン。
これ以上戦争が続いたら、逆に負けてしまう状態だったの。
だから、ロシアに『お金はいらないから、とにかく戦争を終わらせて!』って
頼み込んで、なんとか講和してもらったのが真実なんだよ。」ゆうと 👦:
「うわぁ、まさに薄氷の勝利…。
それを知らない国民が『ふざけんな!』って暴れたくなるのも分かる気がするな。」
6. 先生から「ここだけは絶対おさえろ!」まとめ
| 項目 | 日清戦争 (1894) | 日露戦争 (1904) |
|---|---|---|
| 相手 | 清(中国) | ロシア |
| 条約 | 下関条約 | ポーツマス条約 |
| 獲得 | 台湾・遼東半島 | 樺太(南半分)・南満州鉄道 |
| 賠償金 | あり (2億テール) | なし ❌ |
| その後 | 三国干渉・八幡製鉄所 | 日比谷焼打事件・韓国併合 |
7. 入試実戦!確認テスト(全10問)
高校入試でよく出る問題を厳選! 全問正解を目指そう。
日清戦争編
Q1. 1894年、朝鮮で起きた農民の反乱は?(日清戦争のきっかけ)
答え:甲午農民戦争
- 解説: これを鎮めるために日本と清が出兵し、衝突しました。
Q2. 下関条約の後、ロシア・ドイツ・フランスが遼東半島の返還を求めた出来事は?
答え:三国干渉
- 解説: ロシアへの恨みが、10年後の日露戦争へつながっていきます。
Q3. 日清戦争の賠償金で、福岡県に建設された官営工場は?
答え:八幡製鉄所
- 解説: これにより、日本の産業革命は軽工業から重工業へと進みました。
日露戦争編
Q4. 1902年、ロシアに対抗するために日本が結んだ同盟は?
答え:日英同盟
- 解説: 当時の世界最強国イギリスを味方につけたことは大きな後ろ盾になりました。
Q5. 日露戦争の講和条約の名前は?
答え:ポーツマス条約
- 解説: アメリカの仲介で結ばれました。
Q6. ポーツマス条約で、国民の不満の原因となったことは?
答え:賠償金がなかったこと
- 解説: 増税や家族の戦死に耐えた国民の怒りが爆発し、日比谷焼打事件が起きました。
近代化と外交編
Q7. 関税自主権の完全な回復を成し遂げた外務大臣は?
答え:小村寿太郎
- 解説: 1911年に達成。陸奥宗光の領事裁判権撤廃(1894年)と区別しよう!
Q8. 1910年、日本が韓国を植民地とした出来事は?
答え:韓国併合
- 解説: これにより朝鮮総督府が置かれ、植民地支配が始まりました。
Q9. 中国で「外国人を追い出せ」と起きた反乱を、日本などが鎮圧した事件は?
答え:義和団事件
- 解説: この時ロシアが満州に居座ったことが、日露戦争の原因の一つになりました。
Q10. 産業革命が進む中、労働者が労働条件の改善を求めて起こした争いは?
答え:労働争議
- 解説: 足尾銅山鉱毒事件(田中正造)などもこの時代の「影」の部分です。
8. エンディング:そして第一次世界大戦へ
ゆうと 👦:
「勝った勝ったって喜んでばかりいられないな。
賠償金がなかったり、暴動が起きたり…戦争ってやっぱり大変だ。」
あかり 👩:
「そうだね。
でも、この勝利で日本は『列強(世界の一流国)』の仲間入りをして、欧米と対等な立場になったの。
そして世界は、いよいよ人類史上最大の戦争、『第一次世界大戦』へと突入していくよ。」
ゆうと 👦:
「うわぁ、もっと規模がデカくなるのか…。次回も覚悟して読むわ。」
次の記事「第一次世界大戦と大正デモクラシー編」へ進む。

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よくある疑問 Q&A|教科書には書いていない「大人の事情」
日清・日露戦争は、用語を覚えるだけでは本当の姿が見えてきません。
ここでは、あかりが「なぜそうなったのか」をこっそり教えます。
Q1. なんで「三国干渉」で、日本はあっさり領土を返したの?
理由:逆らえば、日本が植民地にされる可能性が高かったから。
当時の日本は、戦争直後で軍も国力もボロボロの状態。
そこにロシア・ドイツ・フランスという世界最強クラスの3か国が同時に圧力をかけてきました。
ここで逆らえば、今度は日本が攻められてしまう。
だから日本は「今は耐える(臥薪嘗胆)」という判断を選んだのです。
Q2. なんで世界最強の「イギリス」が、日本と手を組んでくれたの?
理由:イギリスにとっても、ロシアは邪魔な存在だったから。
当時のイギリスは、アジアに多くの植民地を持っていました。
そこへロシアが南下してくると、自分たちの利益が脅かされます。
しかし、イギリスはヨーロッパから遠く、直接手を出しにくい。
そこに現れたのが、ロシアと戦う気満々の日本。
日本はイギリスにとって、「ロシアを止めてくれる都合のいいパートナー」だったのです。
Q3. 日露戦争に勝ったのに、なんで賠償金がもらえなかったの?
理由:日本の勝利は「ギリギリ」で、これ以上戦えなかったから。
日本は戦争の終盤、お金・兵士・弾薬すべてが限界でした。
もし戦争が長引けば、逆に負ける可能性すらあったのです。
そのため日本は、
「賠償金はいらないから、とにかく戦争を終わらせてほしい」
とロシアに頼み込み、講和を成立させました。
この事情を知らなかった国民が怒り、日比谷焼打事件が起きたのです。
