〜ゆうととあかりの、雲作り実験室〜
「なぜ?」をつないで得点に変える
雲のでき方と実験
なぜ上空に行くと雲になる?
断熱膨張を完全攻略
「雲ってどうやって作るの? 魔法?」
そんなふうに思ったことはありませんか?
実は、ペットボトルやフラスコを使えば、教室の中で一瞬にして「雲」を作ることができるんです!
今回は、入試で頻出の「雲のでき方」のメカニズムと、教科書でおなじみの「注射器を使った実験」を、満員電車のイメージで完全に理解しちゃいましょう。
「え、満員電車と雲に関係あるの?」と思ったあなた。
3分だけ時間をください。読み終わる頃には、空を見上げるのが楽しくなっていますよ!
登場人物
👦 ゆうと:「雲を作れるわけないじゃん、魔法使いかよ」と思っている。注射器で遊ぶのは好き。
👧 あかり:理科が得意。「空気くんたちの気持ち」になって考えると、温度が下がる理由がわかる。
第1部 ストーリー解説|なぜ上昇気流で雲ができる?(断熱膨張の仕組み)
上に行くと、なぜ冷える?
👦 ゆうと
「ねぇあかり。前回、『空気が上昇すると冷えて雲になる』って習ったけどさ。
そもそも、なんで上に行くと冷えるの? 太陽に近づくのに。」
👧 あかり
「それはね、空気が『膨張(ぼうちょう)』するからだよ。
あ、ちなみに雲の正体は『細かい水滴や氷の粒』のことだよ。水蒸気が変身した姿だね。」
👧 あかり
「じゃあ、なぜ冷えるのか。
ゆうと君、満員電車を想像してみて。」
「ギュウギュウ」は熱い、「広々」は涼しい
👧 あかり
「満員電車でギュウギュウに押し込められると、暑くて汗だくになるでしょ?」
👦 ゆうと
「うん。熱気ムンムンで最悪だよ。」
👧 あかり
「空気も同じ。圧縮(あっしゅく)されて押し込められると、温度が上がるの。
逆に、ドアが開いてホームに『わーっ!』て広がったら?」
👦 ゆうと
「ああ、スーッと涼しくなるね。」
👧 あかり
「そう! 空気は、周りの圧力が下がって広がると、エネルギーを使って温度が下がる性質があるの。」
【図1:満員電車のイメージ】
- 左側(圧縮): 狭い箱に空気の粒(キャラクター)がギュウギュウに詰め込まれ、赤くなって「暑い〜」と言っている図。
- 右側(膨張): 箱が広がり、空気の粒が「わーい」と散らばって、青くなって涼んでいる図。
- 圧縮する(押す) → 狭くなる → 分子同士がぶつかる → 温度が上がる 🔥
- 膨張する(引く) → 広くなる → エネルギーを使う → 温度が下がる ❄️
- (これを難しい言葉で「断熱膨張(だんねつぼうちょう)」って言います)
⚠️ ワンランク上の知識「断熱」とは、周りと熱のやりとりをするヒマがないくらい「一瞬で」変化する、という意味です。ゆっくりではなく「急に」変わるのがポイント!
上空に行くと「広々」するから冷える!
👧 あかり
「じゃあ、空の話に戻すね。
空気が上昇して上空に行くと、周りの気圧はどうなる?」
👦 ゆうと
「上に行くと、上に乗ってる空気が減るから……気圧は下がる!」
👧 あかり
「そう! 気圧が下がると、押さえつける力がなくなるから、空気くんたちはどうする?」
👦 ゆうと
「『やったー!広くなったぞー!』って……膨らむ(膨張する)!」
👧 あかり
「その通り!
膨らむと……?」
👦 ゆうと
「満員電車から解放されたのと同じだから……温度が下がる!」
👧 あかり
「完璧な流れだね!
温度が下がると、空気中の水蒸気が我慢できなくなって、水滴(雲)になっちゃうんだよ。」
第2部 実験解説|注射器とフラスコでの「雲の作り方」
ここからは、テストによく出る実験問題です。
「何をしたら、何が起きたか」をセットで覚えましょう。
【図2:雲を作る実験セット】
- 丸底フラスコの中に「少量のぬるま湯」と「線香の煙」が入っている。
- フラスコの口にゴム栓で「大型注射器」がつながれている。
- 矢印で「ピストンを引く」「ピストンを押す」動作を示している。
手順1:フラスコの中身を準備する
- 少量のぬるま湯を入れる(水蒸気を増やすため)。
- 線香の煙を少し入れる。
👦 ゆうと
「なんで線香の煙を入れるの? 臭くなるだけじゃん。」
👧 あかり
「水蒸気が水滴に変身するとき、何かにくっつかないと変身できないの。
煙の粒が『水滴の芯(核)』になってくれるんだよ。これを凝結核(ぎょうけつかく)って言うの。」
手順2:ピストンを「引く」!
👧 あかり
「ここからが本番。注射器のピストンを『勢いよく引く』と、どうなる?」
👦 ゆうと
「引くってことは、フラスコの中が広くなるから……」
- フラスコ内の気圧が下がる。
- 空気が膨張する(広がる)。
- 温度が下がる。
- 露点(ろてん)より低くなり、水蒸気が水滴になる。
- フラスコの中が白くくもる!(雲ができる)
👦 ゆうと
「すげえ! 一瞬で真っ白になった!
これが雲のでき方と同じなんだね。」
手順3:ピストンを「押す」と?
👧 あかり
「じゃあ逆に、ピストンを『押して』みて。」
👦 ゆうと
「押すと……圧縮されるから、温度が上がって……」
- 結果: 白いくもりが消える。(水滴が水蒸気に戻る)
👧 あかり
「そう。これは高気圧(空気が降りてきて圧縮される)で天気が良くなるのと同じ原理だね。」
【第3部】記述対策の鉄則|雲ができる4つのステップ(上昇・膨張・冷却・凝結)
入試で一番狙われるのが、この「順番並べ替え」や「記述問題」です。
「上昇・膨張・低下・凝結」の4ステップを呪文のように覚えましょう!
- 上昇(山の斜面などを空気が昇る)
↓ - 膨張(気圧が下がって空気が大きく広がる)
↓ - 気温低下(断熱膨張で冷える)
↓ - 凝結(水蒸気が水滴になり、雲ができる)
⚠️ 注意点「空気が上昇して温度が下がる」といきなり書くと減点されることがあります。
間に必ず「膨張して」という言葉を入れましょう! これが採点のキーワードです。
【第4部】よくある質問(Q&A)雲と霧の違い・実験のコツ
- Q1. 「雲」と「霧(きり)」って何が違うの?
-
A. 作られる「場所」が違うだけで、正体は同じです。
どちらも空気中の水蒸気が冷やされてできた「細かい水滴」です。- 雲: 空の高いところに浮かんでいるもの。
- 霧: 地面にくっつく低い場所にできているもの。
山登りをしていると、下から見れば「雲」だけど、山頂にいる人にとっては「霧」に見える、なんてこともあります。
- Q2. 実験でピストンを「ゆっくり」引いたらどうなる?
-
A. 失敗して、雲ができません。
ここが重要! 「断熱膨張」のポイントは、「一瞬で」広げることです。
ゆっくり引くと、外の温かい空気から熱をもらう時間(ヒマ)ができてしまい、温度が十分に下がらないのです。
記述問題で「ピストンをどう動かすか」と聞かれたら、必ず「すばやく(勢いよく)」と答えましょう。 - Q3. 雲(水滴)は水なのに、なんで落ちてこないの?
-
A. 粒が小さすぎて、風に乗っているからです。
雲の粒は、シャワーの水滴の100分の1くらいの小ささです。
とても軽いので、空気の抵抗や、下から吹く風(上昇気流)に支えられてプカプカ浮いています。
粒同士がくっついて大きく重くなると、支えきれなくなって落ちてきます。これが「雨」です。
【第5部】確認問題|雲のでき方と断熱膨張
Q1. 雲を作る実験で、フラスコ内に線香の煙を入れるのはなぜですか?
👉 答えを見る
水蒸気が水滴になるときの芯(核)にするため。
Q2. 次の( )に当てはまる言葉を入れなさい。
空気の塊が上昇すると、周りの気圧が( ① )ため、空気は( ② )し、温度が( ③ )。
👉 答えを見る
①低く(小さく)なる ②膨張 ③下がる
Q3. 注射器のピストンを「押した」とき、フラスコ内はどうなりますか?
👉 答えを見る
温度が上がり、くもりが消える。
Q4.【入試レベル】 次の語句を、雲ができる正しい順番に並べなさい。
【 ア.膨張 イ.上昇 ウ.凝結 エ.気温低下 】
👉 答えを見る
イ → ア → エ → ウ
(上昇 → 膨張 → 気温低下 → 凝結)
この順番は絶対暗記だよ!
エンディング|ゆうととあかりから受験生へ
👦 ゆうと
「『押すと熱くなる』『引くと冷える』って、満員電車と同じだと思えば忘れないな。」
👧 あかり
「でしょ?
その『満員電車から解放されて涼しくなる』現象が、上空で起きているだけなの。」
👦 ゆうと
「そう考えるとシンプルだな。
空を見上げて『あそこは今、断熱膨張してるんだな』って分析できそうだ。」
👦👧
「この仕組みは記述問題の常連!
黄金ルートを覚えて、確実に点を取ろうね!」

