「考え方」で点数につなぐ
凝結・露点・飽和水蒸気量
分数は使わない。
比とイメージで解く湿度の計算
〜ゆうととあかりの、計算革命ストーリー〜
「理科の計算なんて大っ嫌い! 分数の計算は嫌い」
湿度の問題を見た瞬間、思考停止していませんか?
実は、湿度の計算が難しいのは、あなたのせいではありません。
教科書に載っている「割り算の公式」が、ややこしすぎるのが原因です。
今回は、多くの受験生を苦しめるその公式を捨てて、分数を一切使わずに「比(ひ)」だけで解く裏ワザを伝授します。
この記事を読むと…
「え、そんな方法あるの?」と思ったあなた。
3分だけ時間をください。今日で理科の計算が得点源に変わります!
登場人物
👦 ゆうと:算数の「小数の割り算」が大の苦手。
「湿度=水蒸気÷飽和…」の公式を見ただけで逃げ出したくなる。
👧 あかり:理科が得意。「空気は水を入れる箱」というイメージで問題を解いている。
第1部 ストーリー解説
「公式」なんて覚えるから解けない!
👦 ゆうと
「うわぁ……出たよ、湿度の計算。
『現在の水蒸気量 12g、飽和水蒸気量 20gのときの湿度は?』だって。
えーっと、公式は……
12分の20? それとも20分の12? どっちだっけ?」
👧 あかり
「ゆうと君、ストップ!
その『分数の公式』で覚えようとするから、どっちが分母か分からなくなるんだよ。」
👦 ゆうと
「だって、学校でも塾でも
『湿度(%)=(今の水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量)×100』
って習ったぞ? これ計算するの超めんどくさいんだよ!」
👧 あかり
「ふふっ。実はその公式を使わなくても解ける方法があるの。
『比(ひ)』を使うと、ややこしい分数の計算をしなくて済むんだよ。」
「箱」と「水」の比率で考える
👧 あかり
「まず、言葉のイメージを固めよう。
『飽和水蒸気量(ほうわすいじょうきりょう)』って、名前が長いけど、要するに『空気という箱の大きさ(定員)』のこと。」
- 飽和水蒸気量 = 箱の大きさ(満タンで100%)
- 今の水蒸気量 = 中に入っている水の量(今は
x%)
【図】コップ(飽和水蒸気量)の中に、水(今の水蒸気量)が入っているイラスト
👧 あかり
「湿度は、『箱の大きさに対して、水がどのくらい入ってますか?』ってこと。
だから、こういう式を作ればいいの。」
★魔法の式(比の計算)
飽和水蒸気量 : 今の水蒸気量 = 100 : x
(箱の大きさ) (中身の水) (満タン) (湿度)
👦 ゆうと
「えっ、これでいいの?
さっきの問題(飽和20g、今の水蒸気12g)でやってみていい?」
20:12=100:x
👧 あかり
「そう!
あとは数学で習った『内項の積 = 外項の積(内×内=外×外)』を使うだけ。」
👦 ゆうと
「えーっと、内側どうしを掛けると、
12×100=1200
外側どうしは、
20×x=20×x
だから……」
20x=1200 x=60
👦 ゆうと
「答え、60%!
……って、えええっ!?
これだけでいいの!?
これなら式を立てるだけで解けるじゃん!!」
👧 あかり
「でしょ?
『全体:中身 = 100:x 』って置くだけだから、迷わないんだよ。」
※ポイントこの「全体:中身=100:x 」の考え方は、
密度・食塩水・仕事率など、他の理科計算にも全部使えます。
温度が下がると「箱」が縮む!?
👧 あかり
「次は、テストで一番差がつく『水滴が出てくる問題(凝結)』ね。
これもイメージが大事。」
- 気温が高いとき = 箱が大きい(たくさん水を持てる)
- 気温が低いとき = 箱が小さい(少ししか水を持てない)
👧 あかり
「空気を冷やすと、箱(飽和水蒸気量)がどんどん縮んで小さくなるの。
じゃあ、箱に入りきらなくなった水はどうなる?」
👦 ゆうと
「箱が縮むんだから……水がこぼれちゃう?」
👧 あかり
「正解! その『こぼれた水』が『水滴(凝結)』になって出てくるの。」
【図】大きな箱が縮んで小さくなり、水がこぼれ落ちるイラスト
【例題】
今の水蒸気が23gあります。
20℃まで冷やしたら、飽和水蒸気量(箱の大きさ)が17gになりました。
何gの水滴が出てきますか?
👦 ゆうと
「これも簡単だ!
もともと23g持ってたけど、箱が17gのサイズに縮んじゃったんだから……
入りきらないのは……」
23−17=6
👦 ゆうと
「6gがこぼれる! これが水滴になる量だね!」
👧 あかり
「完璧! 引き算するだけだよ。
ちなみに、『箱の大きさと、中身の水の量がちょうど同じ(湿度100%)』になったときの温度を、
『露点(ろてん)』って言うんだよ。
これ以上冷やすと水がこぼれ始める、ギリギリの温度のことね。」
⚠️ 入試注意「冷やした後の飽和水蒸気量」を見落とすと、
23-20
のように“元の温度の値”で引いてしまうミスが多発します。
必ず「冷やした後の箱の大きさ」を使おう。
【第2部】ここだけは押さえろ!計算とグラフの鉄則
ここは「計算回」です。この3つのパターンさえできれば、入試問題の8割は解けます。
図(箱と水)を必ずイメージしながら計算しよう。
1. 湿度の求め方(比を使う!)
分数の公式で迷うくらいなら、比で解きましょう。
👉「%を求める問題」= 必ずこの①(比)を使う!
- 式: 飽和水蒸気量 : 今の水蒸気量 = 100 :
x - 解き方: 内側かけ算 = 外側かけ算(
内×内=外×外)
2. 水滴の求め方(引き算!)
冷やして出てくる水滴の量は、こぼれた分です。
- 式: 今の水蒸気量 - 冷やした温度の飽和水蒸気量 = 水滴の量
- コツ: 「箱が縮んであふれた」というイメージを持つこと!
3. 「露点」の意味
- 定義: 水蒸気が水滴になり始めるときの温度。
- ポイント: このとき、湿度はちょうど100%になっています。
- (今の水蒸気量 = その温度の飽和水蒸気量)
【第3部】よくある質問(Q&A)
- Q1. 問題文に「今の水蒸気量」が書いてありません!
-
A. 「露点」がヒントになっています。
問題文に「25℃の部屋でコップを冷やしたら、15℃でくもった」とあったら、
「15℃の飽和水蒸気量 = 今の部屋の水蒸気量」 という意味です。
表から15℃の飽和水蒸気量を探せば、それが「今の水蒸気量」になります。
飽和水蒸気量は「温度で決まる」ので、必ず表の数値を使います。 - Q2. なぜ気温が上がると湿度は下がるの?(前回の復習)
-
A. 「箱(飽和水蒸気量)」が巨大化するからです。
中の水の量が変わらなくても、気温が上がって「箱」が大きくなれば、「箱に対する水の割合(%)」はスカスカになりますよね。だから湿度は下がります。 - Q3. 計算の答えが割り切れないときは?
-
A. 問題文の指示を見て「四捨五入」しましょう。
理科の計算は割り切れないことが多いです。
比の計算でも、最後に割り算が出てくることがありますが、「小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい」などの指示を絶対に見落とさないように!
第4部 確認問題
ここまでの内容で、本当に解けるか試してみよう!
紙と鉛筆を用意してね。式が立てられたら勝ちだよ!
第1問:基本の湿度
Q. 気温20℃の部屋に、水蒸気が 12g あります。
この部屋の飽和水蒸気量が 30g だとしたら、湿度は何%?
👉 答えと解説
答え:40%
【あかりの解説】
「箱の大きさ(飽和)」と「中身(今)」を比べるよ。
飽和 : 今 = 100 : x
にあてはめてみよう。
式: 30:12=100:x
計算:
内側どうし → 12×100=1200
外側どうし → 30×x=30x
よって 30x=1200 x=40%
割り算の筆算で悩まなくても解けたね!
第2問:水滴(凝結)の量
Q. 今、空気に 20g の水蒸気が含まれています。
温度を下げて、「箱の大きさ(飽和水蒸気量)」が 12g になってしまいました。
何gの水滴が出てきますか?
👉 答えと解説
答え:8g
【ゆうとの解説】
これはイメージできた!
もともと 20g 持ってたけど、箱が縮んで 12g しか入らなくなったんだよね。
あふれた分が水滴だから……引き算だ!
式: 20-」12=8
これ、計算ミスしようがないわ(笑)
第3問:ちょっと応用(表を使う問題)
Q. 次の表を見て答えてね。
気温20℃で、湿度50%の空気が1㎥あります。この空気に含まれる水蒸気は何gですか?
気温(℃) 飽和水蒸気量(g)
10 9.4
20 17.2
👉 答えと解説
答え:8.6g
【あかりの解説】
おっ、今度は「中身(今の水蒸気量 x)」を求めるパターンだね。
表を見ると、20℃の箱の大きさ(飽和)は 17.2g だね。
これも「比」で一発だよ!
式: 17.2 : x = 100 : 50 (全体 : 中身 = 100% : 50%)
計算:
内側 → x × 100 = 100x
外側 → 17.2×50=860
よって 100x=860 x=8.6
エンディング|ゆうととあかりから受験生へ
👦 ゆうと
「正直さ、最初は理科の計算なんて全部ムリだと思ってた。
でも、考え方が分かると、ちゃんと解けるんだな。」
👧 あかり
「うん。公式を丸暗記しなくても、
『どう考えるか』が分かれば、点数はついてくるよ。」
👦 ゆうと
「入試本番もさ、焦らなくていい。
箱を思い出して、比か引き算かを選べば大丈夫。」
👧 あかり
「今ここまで読んで、理解しようとしたあなたは、
もう一歩、合格に近づいています。」
👦👧
「最後まで、一緒にがんばろう!」

