「お前はこんな問題もできないのか」
テストが返却されてきて、思わず口にしてしまった。「こんな問題」ですからね。ついつい頭にきて、口走ってしまいますよね。
お子さんが「こんな問題」を間違えた場合、どんな言い方したらいいのか? アクセントを変えたり、強弱を変えたり。熱く叫ぶ言い方や、寂しそうにつぶやく言い方。あきれかえって、はき捨てるような言い方。いろいろありますね。
言葉というのは、使い方によって、子どもを生かすことも、殺すこともできる両刃のヤイバ。その使い方は難しい。
さて、「お前は、こんな問題もできないのかぁ」です。この言葉を子どもはどのように受け止めるのか。この言葉を聞いて、気持ちを入れ替えて、成績アップにつなげることができるのか。
残念ながら、よい結果は見込めません。つまり、成績は上がらない。それどころか、かえって子どものやる気を削いでしまう。
まあ、それは、言う側もわかっている訳ですが、怒り、あきれ、悲しみの感情を抑えきれずについつい出てしまう言葉です。それは、裏返せば、期待しているからこそ思わず出てくる言葉でもありますよね。
期待しているからこその言葉なのに、子どもにはまったく正反対に受け止められる。これって子どもの悪い成績よりもダメですね。しかも、常日頃からこんな言葉が飛び交えば、子どもは先々どうなるか。想像しただけで恐ろしい。
さて、どうしましょう。
実は、ちょっとした「違い」を知ることで、ものすごく効果の出る言葉にすることができるのです。今回は、その「違い」をお伝えしようと思います。
ポイントは、ただ1点。言われる側の子どもがどのように感じとれるのか?を知ることです。そのためにも、モノは試し。鏡の前で、「お前は、こんな問題もできないのか」を10回、言い方を変えながら言ってみて下さい。
いったい、どんな表情で言っているのか。そして、この表情で言えば、子どもはどう感じるだろうかを考えながらやってみて下さい。
いかがでしたか、どんな顔していました? 自分で見ても怖かった。嫌味ったらしかった。いろいろ感じとれたと思います。
私もよく鏡の前で、どんな表情で、子どもたちに話しているのかをチェックします。この言葉を言うときは、なんとも・・・・・・ですな。
では、「お前は、こんな問題もできないのか」に少し工夫を加えてみましょう。
「は」→「が」に、「も」→「を」に変えるのです。わかりますか。
「お前は、こんな問題もできないのか」は、
「お前が、こんな問題をできないのか」になります。
さて、まずは鏡の前で10回です。どうですか。 違いはありましたか。
なるほどと思ってもらえれば、凄く嬉しい。期待している気持ちをそのままストレートに伝える。伝えるために使った言葉の真意が、そのまま子どもに伝わるためのちょっとした工夫です。
言われる側はどう感じるか。これが、全てです。たとえ、期待心から発言しても、その期待がうまく伝わらないと逆効果になってします。
ましてや、普段生活をずっと共にしている親だからこそ、子どもに与えるダメージは、想像以上に大きくなる。
この両者の違いは、ポジションの違いです。先の言い方だと、親が子どもの敵になっています。もちろん、そんな気はないでしょうが、知らず知らずのうちに親が子どもの敵になってしまいます。
後の言い方だと、親は子どもの味方になれます。当然、親は子どもの一番の味方なのですが、発言によっては子どもには、そうとは感じられなくなってしまうわけです。
これが、言葉の怖いところ。最初に言ったように、それが積み重なれば、先々・・・・・ってわけです。
子どもの味方であることが、ちゃんと伝わっていますか? 家の中では、親子間の言葉に、なんの歯止めもかからないことがよく起こります。だからこそ、言われる側はどう感じるかを、意識しないといけないものだと思います。
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